<ネタバレ>特別に美人でもなく、特別に若くもない、一人の女性を描いた、ド .. >(続きを読む)
<ネタバレ>特別に美人でもなく、特別に若くもない、一人の女性を描いた、ドキュメンタリータッチの一本。
平凡とも思える日常から、最愛の息子を亡くすという、急転直下なイベントが中盤で発生。
女性は予想通り精神に破綻を起こし、奇行を繰り返す。
言ってみれば、どこにでも居そうな一人の女性を、淡々とリアルに描きつつ、息子を誘拐殺人で
亡くすという悲劇を絡めることで、不思議な雰囲気を作り出すことに成功している。
だけど、これ面白いか?と聞かれたら、間違いなく答えは「ノー」。
娯楽性は、ほとんどない。
ならばメッセージ性があるのか?
あるといえばある。
①宗教に対する批判的描写
②脈の無い女性に対して男がいかにしつこく付きまとっても、結局は何も成就しない。
少なくとも、この2つはメッセージとして伝わってきた。
①の宗教批判は監督の個人的価値観。
②に関しては、男性の大半が一度は経験する、苦い糧。
ある女に対して男が魅力を感じ、しつこいくらいに面倒見たからって、恋愛感情が生まれること
は滅多にない。
ファーストコンタクトで、男は脈ありか判断すべきで、この映画の男は脈がどうみても無かった。
脈なしと早めに判断し、女性の魅力に後ろ髪をひかれながらも、アッサリとあきらめるべきだった。
ラストシーンでも、この男女のとりとめのない絡みが映し出されるが、おそらくこの後も、何も
起きないだろう。
いや、起きたとしても、それは女が寂しさのあまり、その男に惹かれただけで、深い関係になった
ところで、最終的にはダメになる。
そんなこんなで、体裁としては、一人の不幸な女性を淡々と描いた内容だが、内容的には、相いれない
男女の不毛な絡みを描いた、恋愛モノとも言えるかもしれない。
あとは、いやらしいくらい、しつこく描かれる宗教批判。
個人的には宗教は嫌いなので、別にどうでもいいんだが、少し回りくどいし、しつこいかな。
一人の人間を、淡々とドキュメンタリータッチに描く系統の映画は、結構好きな方なんだけど、
この作品は、そこまで魅力を感じずに終わった。
その最大の要因は、ただ一つ。
ヒロインに、性的な魅力を感じなかったから。
この手の映画は、ヒロインがおそろしく綺麗だったら、一気に見る気マンマンになるってものだ。