<ネタバレ>決して皆さんの評価と逆の点数を付けたがる逆張り人間ではないの .. >(続きを読む)
<ネタバレ>決して皆さんの評価と逆の点数を付けたがる逆張り人間ではないのだが、凄い映画だったのでこの点数をつける。
自殺にいたる人間の様子を淡々と映した前半部分を見ている時、少し前に見た短編映画『J005311』に似てると感じたし、もしくは竹馬靖具監督の『今、僕は』を思い起こした。
エンドロールで気付いたが、共同脚本として竹馬監督の名前があり、思わず声を上げてしまった。
竹馬監督がこの作品に脚本という形とはいえ関わっているからこそ、この作品を見ていて既視感があったのだと。
とは言え、前半部分の車道の騒音が耳障りで嫌になったし、主人公が車の中でカップラーメンをすする音がうるさくて怒りさえ込み上げた。
だが、主人公が首をうな垂れて死んでいる車をよそに、その間近でももいろクローバーが元気に歌って踊るという、生と死の対比に感慨を覚えた。
この生と死の対比はまるで鶯谷駅の景色の様だ。
鶯谷駅は駅ホームを挟んで墓地と東京最大のラブホテル街とが向き合っており、まさに生と死が対比された東京の裏の名所だ。
若さ躍動するももいろクローバーの歌と踊り、そしてその背後に映り込む死人の乗った車。
この映画は生と死、動と静、明と暗、それぞれの対比を描き、そしてそこに人生の交錯をも織り込んだ稀有な映画である。
(追記)
だからこそ作品名が『而二不二(ににふに)』なのね、納得。