池袋の新文芸坐にて鑑賞。
本作は、1939年公開の溝口 .. >(続きを読む)
池袋の新文芸坐にて鑑賞。
本作は、1939年公開の溝口健二監督作品である。
146分という長尺も合点のいく、まさに力作であった。
特に、全編を通して貫かれている、“1シーン1カット”という撮影方法により生まれる、“長回し”シーンの数々に圧倒される。
長回しといっても、それは実験的な長回しであったり、観客を驚かせる為の遊び的な長回しという感じではない。
監督とカメラワークと演じる俳優とが力を結束し、又、それぞれがプロであるからこそなせるものであった。
全編を通して貫かれる、その一貫した撮影スタイルに、溝口監督の強いこだわりと執念を感じた。