<ネタバレ>池波正太郎原作であれば、余韻や人情の機微を期待してしまう。 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>池波正太郎原作であれば、余韻や人情の機微を期待してしまう。
例えば無駄な殺生はしない真っ当な(?)盗賊は、火盗改めを小気味よく出し抜いたり、
悪運尽きてお縄にかかる時は潔く…それが池波スタイル。
ところがこの作品は、そこがおざなりになっている。
大仰な斬り合いが多い割には、双方が知略を尽くすという醍醐味は殆ど感じられない。
フジテレビのシリーズや最近のNHKのBS時代劇の方が、そこは丁寧で、事実名作も多い。
それと、裸のシーンがやたらとあるのも、制作時期ならではかもしれないが、なんか下品。
ただ、高松英郎、長門裕之、夏八木勲らの脇を固める名優陣の抑えた演技は素晴らしく、
池波スタイルを何とか保持している感があった。
終盤の名古屋城の仇討とかを無理に入れずに、ラストの仲代達也と市川染五郎(六代目)の解合のシーンに
もっていけば後1点追加だったような作品。