<ネタバレ>この映画、若いころに何度か観たが、
小津さんのサイレントや .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この映画、若いころに何度か観たが、
小津さんのサイレントやトーキー初期の作品を最近、よく観てて、
それで改めて、本作を見返したら、色々発見があった。
やはり思うのは、小津さんの「一人息子」があっての「東京物語」だろうということ。
「一人息子」のほうは、母親が上京してきて、競争社会の東京に失望を覚えた息子を母親が
𠮟り飛ばす話なのだが、それでも息子には人情があって、それが何よりもの親孝行だという話である。
本作「東京物語」は逆だ。それなりに東京で生活をしている子どもたちの、
いつしか親のことを事務的にこなす子供の変貌ぶりに、父親の笠智衆が落胆する話だ。
「一人息子」とは真逆だ。
この話の続き(京子と父親の話)が「晩春」になるのだろう。
小津さんの中で、映画で描いた家族は、現役時代、ずっと生きていたのだろう。