<ネタバレ> 子供思いで真面目な生活を送っていた人間が、不真面目な生徒の .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ> 子供思いで真面目な生活を送っていた人間が、不真面目な生徒の逆恨みにあって人生崩壊していくドラマ。それが最初の印象。見ていて気持ちのいいものではありませんね。
ミステリー要素があるため、サスペンス的な側面もあり。
『死刑廃止論』というテーマをとりあげる『社会派ドラマ』の側面もあり。
ですがこれはタイトルにもあるように、『デビッド・ゲイル』という人間の生き方を綴った人生ドラマなのでしょう。
理不尽な仕打ちの連続に、一度も人生逆転することなく終わりそうだったのが、最後の最後で、命がけの逆転ホームランを打つ復讐劇に見えたのは私だけでしょうか。
デビッド・ゲイルが本当に取り戻したかったのは、『自分という人間の信頼』であり、『人としての尊厳』であったと思うのですが、いかがでしょう。この死刑が冤罪だと証明できれば、過去のレイプ疑惑だって冤罪であった可能性を主張できます。
どうせこのまま、濡れ衣を着せられたまま人生が終わるのであれば、最後自分を裏切り虐げていたすべての人々に、『お前達は全員間違っていたのだよ。俺が正しかったということを今更後悔しても遅いけどな。お前達は取り返しのつかないことをしたんだ。』と証明して死にたかったのではないでしょうか。
私には少しだけデビッドの気持ちがわからんでもないのです。
ただデビッドに感情移入させるために必要であった、デビッド主観の回想シーン。わかるのですが、結論に至るまでが、長い、長いよ。
中だるみしちゃったよ。
ラスト15分は、そりゃあ盛り上がりましたが、あのオチに対してもったいつけすぎではないですか。
映画としての完成度は高いと思います。
ですが、個人的な好み、そしてこのオチに対してこの尺か、という点は評価から差し引きました。
ケイト・ウィンスレットが謎解きをするパート、良かったのですが、若干『泣きの演技』が過剰だったかもしれません。
そこはもう少し冷静に事件を記者として追うほうが、デビッド・ゲイルの悲哀が逆に際立ったと思います。[良:1票]