<ネタバレ>凡人には計り知れない、”才能あるアーティスト”の頭の中をロイ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>凡人には計り知れない、”才能あるアーティスト”の頭の中をロイ・シャイダーの名演を通して覗かせてもらった。
いや、なんというか壮絶ですなあ。妻を怒らせ、愛人に泣かれ、それでも性的道徳規範になんか構っちゃいられない溢れる創作意欲。精神薬を手放せず、充血した目に目薬を何万回と注しながら「バラを創ることができる」神の領域に近づこうと必死にもがく芸術家。スタッフが称賛しようと、彼一人納得できない。果てしなく。
これって地獄ですよなあ。けれど、地獄でのたうつジョーのその人となりが茶目っ気のある憎めないタッチで描かれるので、圧倒されつつも それほどしんどさを感じずに観ることができる。
女グセが最悪でも娘には愛され、母娘で見事なダンスショーを自宅で披露してくれる。この場面の幸福なことといったら、ジョーの不倫も不誠実もすべて許してやっか、という気分になる。
あの世からお迎えに来た死の使いまでが美女と来たもんだ。F・マーキュリーばりにステージで輝いて、そして逝った。見事な人生でありました。