<ネタバレ>ダニー・ボイル会心の傑作。
インド映画というよりハリウッド .. >(続きを読む)
<ネタバレ>ダニー・ボイル会心の傑作。
インド映画というよりハリウッド(ボリウッド)のノリ。
ボイルの最高傑作である「トレインポスティング」や初期の「28日後...」や「普通じゃない」の頃に比べると余り鋭さは感じられないが、それでも娯楽としてかなり良く出来ている。
昔のインドを捉えた映画とこの作品の状況を見比べてみるのも面白い。
ジャン・ルノワールの「河」やサタジット・レイの「大地の歌」の時代と比べると、確かに生活は豊かになったのかも知れない。極一部は。
昔と変わらぬ貧しい生活を送る者はけして減少していない。
拡がる経済格差がよりインド社会を複雑に歪める。
犯罪に身を堕とし破滅する兄、大博打に出て大金を手に入れた弟。
兄に無かったもの、弟にあったもの。
それは「信頼」である。兄貴は誰も信じずに身を滅ぼし、弟は愛しい女性を最後まで信じた。どんなに身を落としても、人を信じられなくなれば終わりである。
ムンバイの社会背景ならミラ・ナイールの「サラームボンベイ!」もオススメ。