<ネタバレ>うだつの上がらない三流ボクサーであるロッキー・バルボアが真の .. >(続きを読む)[良:2票]
<ネタバレ>うだつの上がらない三流ボクサーであるロッキー・バルボアが真の一流ボクサーへと成長していくヒューマン・ボクシングドラマ。
「ミリオンダラー・ベイビー」のように尊厳を貫いたり、「鉄腕ジム」みたいなアクション重視のボクシングも最高だが、やはり「ロッキー」も最高のボクシング映画だ。
何せ「スターウォーズ」と共にアメリカン・ニューシネマの暗い空気を殴り飛ばしてくれたんだから。
シリーズを通して見えてくるアメリカンドリームの光と影。
時には本気で殴り合うある迫力あるボクシングシーンも凄いが、それを盛り上げるのはやはり人間ドラマ。
愛情、友情、努力、勝利への執念。
シリーズを経る事にロッキーの戦い方や考え方は徐々に変化していく。
実際のボクサーがそうであるように、戦えば戦うほど様々な苦悩や経験を背負い込んで。
強敵よりも厄介なのが「自分自身に勝つ」という事だ。
ロッキーは持ち前のハングリーハートをバネに力強く戦っていくが、同時に複雑な環境がロッキーをとことん追い込む。
それに打ち勝てるからこそ、ロッキーはどんな強敵とも戦い抜けた。
そんなロッキーの魂の震える姿に、ベトナム戦争や不安定な社会情勢に打ちのめされてきた人々が勇気をもらう。
このロッキーが1~5そしてファイナルまで成長したのは、そんなアメリカ市民の心の支えがあったからこそだと思う。
どんな人間もそれぞれの夢を掴める。
辛い現状とどう戦い、どう打ち勝つか。
それをこの映画は教えてくれるんだ。[良:2票]