<ネタバレ>オーソン・ウェルズの「マクベス」には及ばないが・・・あの怪奇 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>オーソン・ウェルズの「マクベス」には及ばないが・・・あの怪奇幻想的な雰囲気が登場人物たちのドロドロした情念みたいで面白いんだけどさ、霧の中突っ走る場面は長いし、盛り上がりも少ない。
淡々と一つ一つ事を片付けていく感じだな。
一人の男が栄華を極め、そしてあっけなく滅んでいく。
こんなところに住みたい民はいねえだろうな。
だって城下町が無いんだもん。
夜逃げでもされた?
ただラストシーンは壮絶!
もうそこだけは何回も見たくなるね。
動くはずがない森が動き出し、絶望に暮れ始める鷲巣たち。
円谷英二の怪獣映画さながらの技法が、このおどろおどろしい映画を一気に盛り上げる!
いままで散々上司や仲間を裏切ってきた男に、真の忠誠を示す部下は一人もいない。
一方で、苦楽を共にしてきた小田倉と義照には心で結ばれた部下を率いる。
いつも対照的な役柄を演じる三船敏郎と志村喬が魅せる光と影が如実に現される。
そして矢の雨が横から降り注ぐ凄まじい絵!
マジで本物の矢をドカドカ撃ちまくる!
矢が首に刺さって苦悶の表情をする鷲巣。
まるで往年のサイレント映画さながらだ。
映画は鷲巣が崩れ落ち、強者どもの夢の跡を映す城跡が映り幕を下ろすが、撮影後に三船が本気でブチギレて散弾銃を武装して押しかけた話はあまりにも有名である。
いやあ、本気で監督を殺しにかかれる俳優、今の時代にいるかい?(何を言ってんだ俺は)