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<ネタバレ>一番最初の「仁義なき戦い」は音楽の使い方がギャグとしか思えなかったが、2作目、3作目以降は音楽の使い方も死に様も漢たちの血生臭いドラマもどれをとっても切れ味しかなかった。
特に本作はシリーズの駆け引きと虚しさを噛み締められる一篇だ。群像劇としての面白さもより磨きが掛かる。
最初のダイジェストで前がどんなかおさらい、世界の代理戦争は、当然日本のヤクザ社会でも例外ではない。
今回の菅原文太の兄貴が味わう虚しさは、シリーズ随一。
小林旭の知性派というかインテリ的なキャラも喰えない野郎だ。
この世界、暴力だけじゃ食っていけないからねえ。
白昼堂々暗殺を仕掛けるヤクザの鉄砲弾ども、
相変わらず憎めない山村のおやっさん、
木刀から日本刀までブンブンうなる、
ビール瓶でも渇入れて~、
ちょっと可愛そうになってくるレスラーのおっさーん、
成り行きでヤクザになっちゃった倉元と母ちゃんのタバコの件が忘れられへん、
自重する気皆無な山守、
発炎筒もいきなりの強襲もビックリする時はビックリする人間臭いヤクザたち、
文太の兄貴だけ闘る気満々で空回り、
利用される女達の哀しみ、
停電の会合場面は妙に心に残る
、血で血を争うぐちゃぐちゃの殺し合い・・・。
クライマックスは何度見ても強烈だ。
文字通り粉微塵になってまで“殺され”続ける残酷さ。殺し屋たちも、時と場所は選べない。
砕け散った一片を、文太の兄貴が握り締め、打ち震えるシーン・・・!
原爆ドームが、戦後も広島を中心に繰り広げられる殺し合いを無言で嘆くかのように、物語を締めくくる。