<ネタバレ>アルベール・ラモリスによる最高に可愛らしいファンタジー映画。 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>アルベール・ラモリスによる最高に可愛らしいファンタジー映画。
セリフがほとんどないのにこんなに面白い映画を撮れる。無粋なセリフはいらないのだ。冒頭に出て来た犬のように、少年の目の前に現れる風船はペットのように、人間のように感情豊かな姿を見せる。
ガス灯から風船を“救い出す”シークエンスから始まり、風船は意思があるように自ら浮いたり降りたりする。
乗船拒否されれば、勝手に少年を追うだけだ。
濡れたレンガの路地の上を飛んでいく風船、
尻尾のようになびく紐、
白と赤のコントラスト、
傘から傘へ移って行く少年。
赤い風船は青い風船に惚れ、青い風船も赤い風船に反応する。これが伏線になろうとは・・・。
他の子供達は、赤い風船と少年に“嫉妬”して彼らを追い回す。
階段や路地における追走劇のスリル!
通りすがりの婆さんのオフェンス。
ちょっとしたファンタジーとか短編とか子供向けの映画とナメてかかっていたらコレだ!
まさかここまで面白いとは思わなんだ。
子供達は赤い風船を“さらう”。男の子たちに混じって女の子がいない事も不思議だった。まるで一人の女を取り合うように。
綱引きや柵のやり取り、訪れる“死”。
少年の悲しみが起こす風船、風船、風船の奇跡。
空の向こうに消えていく美しいシーンだが、本当に死んだのは果たして・・・。
この映画の後に「白い馬」を見るのが最高なんです。[良:1票]