<ネタバレ>キング・ヴィダーの「麦秋」を思い出す開墾映画の傑作。
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<ネタバレ>キング・ヴィダーの「麦秋」を思い出す開墾映画の傑作。
ルノワール特有の幻想的な自然の風景には、フランスの香りが漂う。時たま我々を楽しませてくれるコメディ演出。
そこにアメリカ特有の音楽、自然に潜む幻想的な美しさ・悪夢のような厳しさ。
酷暑で倒れる老人、幼児を蝕む病、嵐で氾濫する河、泥のように人の歩みを拒む土、積み重なった災難は人の心もきしませる。
疑心暗鬼、殴り合い、殺し合いとエスカレートする狂気。狂気を抑えるのは利害一致の“宝”の存在。
飢えが人の心も大地も渇かす。
逆にある程度の飢えは人間を強くする。雨で河が溢れ、何もかも押し流してしまう恐怖。「スワンプ・ウォーター」ではより凶暴に河を描いていた。本当にルノワールは“水”の使い方が凄い。
畑が河に押し流されようと、一匹でも牛がいればまた立て直せる。たとえいなくても、人の手がある限り、何度でも耕してやる。そんな人間たちの力強いドラマが面白い。