○日本軽佻派を自称する川島雄三の傑作。けれども軽佻浮薄なニン .. >(続きを読む)
○日本軽佻派を自称する川島雄三の傑作。けれども軽佻浮薄なニンゲンにこういう映画は撮れっこない。 監督の演出に10点。フランキー堺の神がかり的演技に10点。遊郭のセットに命を与えたすべての脇役陣(石原裕次郎を含む)に10点。合計30点を献上。
○居残り佐平次が「相模屋」から逃走するのは、佐平次自身も気づいていないが、目の前に迫っている死を迎える場所を探すためである。 従って、最後の場面はこのほうがいい。幻のラストシーン(昭和32年の品川を走り去る佐平次)など不要である。
○「地獄も極楽もあるもんけぇ。俺ぁまだまだ生きるんでぇ。」の捨てゼリフは、生老病死を宿命とする全人類に共通する呪文。この呪文だけでも10点。