<ネタバレ>インターネット黎明期だからこそできた映画だろう。
膜に覆わ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>インターネット黎明期だからこそできた映画だろう。
膜に覆われたような不透明感が、ノストラダムスの予言が外れて先の見えない閉塞感が、
大海より広大なインターネット空間とリンクしている。
どこかで誰かと繋がりたい孤独な人たちが次々と開かずの間に吸い寄せられ犠牲になっていく。
だが、霊界は既に死者であふれており、現世で黒い染み=地縛霊として永遠に留まらなければならない絶望が待っている。
そして終盤のポストアポカリプスは、もはやホラーとしてはスケールが大きすぎるが、
ありきたりなホラーからどこまで解体できるか挑戦しているように感じた。
工場からの飛び降り、音で脅かすことに頼らない湿気をまとった不気味な演出は非凡なことは認めるが、
主演男優の棒読みが恐怖を半減させていて、せっかくの題材が勿体ないと感じた。
「行けるところまで行く」。
人として生きていく限り、誰かと繋がりたい。
孤独とコミュニケーションを屈折した角度で撮った視点は『CURE キュア』と一続きなのかもしれない。