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<ネタバレ>一体誰に向けて作った映画なのか。 前作の『河童のクゥと夏休み』はアニメでしか出来ない表現があったが、本作は実写でやれば十分な内容と表現をそのままアニメにしても、ターゲットの中学生にはピンと来ないのではないか? 現に声優陣を俳優で固めるあたりからしてもそうだし、極めつけは鉄道に関するエピソードでまんま実写写真がバーンと映し出される。不倫した母との関係にまだ決着が付いてないのはリアルかもしれないが、アニメでしかできない表現を放棄した先にあるのは、表面を撫でただけの"リアル"と思われる事象の羅列とそれを履き違えている製作者の自己満足。だから伝えたいメッセージの説得力が乏しいし、ケータイ小説の薄っぺらさに通じるものがあった。型に嵌って息苦しく、広がりがないんだな。もっと非現実に描いてこそ、物語内の現実が際立ち、"カラフル"が実感できるのではないだろうか。2000年に既に実写映画化されているんだから、この地点で題材を間違えているとしか思えない。"クレしん監督"のイメージから完全に脱却するのはまだ先のようだ。