<ネタバレ>他の是枝作品に比べればやや質が落ちる程度だけど、淡々としなが .. >(続きを読む)
<ネタバレ>他の是枝作品に比べればやや質が落ちる程度だけど、淡々としながらも何となく最後まで見てしまう。昭和のような家庭像は崩壊し、個人主義が強くなっていくシビアな現代社会の中で、糸が切れかけの凧のような関係の家族の形を見つめ直す。夢ばかり見てセコいことばかりしているダメンズに、どこか達観している母、愛想を尽かした元妻、双方で惑う息子が台風で一夜を過ごす窮屈で微妙な空気感。それぞれが互いの本音に向き合い、現状を受け入れていく。幸せになるには何かを諦めるしかない。状況が改善されるわけもなく、いつか彼は一人ぼっちになっていくだろう。だが自分で選んだ人生であり、どうにもならないことだってある。そういう哀愁を漂わせながらも、少しだけ前向きになれるようなラストだった。