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今観てみると、プロット的には結構あっさりとした終わり方で、個人的には2の方が重厚な余韻があって好みのため、本作は8点とした。
しかし本作も名作である事は間違いない。公開から30年近く経った現在でも、サイバー犯罪への先見性や犯人像の新鮮さは未だ失われていない。
サスペンス劇としての秀逸さに加え、隠れたテーマとして浮かび上がる東京への愛憎。
我々はどこから来て、どこへ向かうのか。
埋め立てを繰り返し、古き町並みを壊し、無機質な建築を無尽蔵に創り出していく東京。
夏の茹だるような風景。意味深な町並み。
ノスタルジーとも文明批判とも言い切れない、下手すると意味があるのかないのかさえよく判らぬ
まさしく東京に対する愛憎の思いが本作に奥行きを与えている。
≪追記≫
先日、全国で某社製携帯電話が通信障害のために使えなくなる、という騒動があった。
私も携帯が使えず色々と不便だったのだが、世間的にも大きな騒ぎとなった。
で、その際に頭に浮かんだのが本作。
”特定のOSが社会で独占的な地位を得て、それが何らかの理由で不調に陥った場合、どのような混乱が社会に生ずるか?”
つまるところ本作の先見性はここにあり、今後も社会が人間の要請に応じて様々な”OS”を作り続ける限り、それが失われる事はないだろう。