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<ネタバレ>この映画を劇場で観たとき、リアルの仕事環境が酷くて死にそうな状況だったのですが「どんな酷い状況でもミュージカルさえあれば魂は救われる」というテーマに、すごい救われたのを覚えています。
西欧の悲劇的話でよく、現実の主人公は肉体的に死んでしまうけれども、魂は神の御許に行って天国で幸せになるみたいな落ちの話がよくあるんですけど、キリスト教など信じてない人間からすると「そんなの信じられるかよ」「現実でうまく行ってる人が酷い死を迎えた人に対する罪悪感を晴らすためのごまかしでしょう」としか思えなくて、感情移入できたことが一度もなかったのですが、この作品では、確かに神(音楽の神様?)がいた。そのように感じられた、私にとって初めての作品でした。
DVDライナーノートの監督インタビューなんか見ると「ネタバレするな」的なことが書かれているので、ここでは明確には書けないのですが、この作品は、本当は、劇場で観る(聴く)のが良いと思います。
劇場版では冒頭の音楽の場面がずっと真っ暗でした(3分くらい?)。
DVD版だと抽象画のような映像が表示されて、元々の作品の意図が分かりづらくなってると思います。
で、最期の場面なんですが、劇場だとすごい良くわかるんですけど、家などの環境だと何が何だかわからないまま見過ごしてしまう(作品テーマ的には「聴き過ごしてしまう」)可能性が非常に高くて、ヘッドホンで、周りの雑音をすべてシャットアウトした上で観る(聴く)ことをお勧めします。
入門編として、工場のプレス機のSEをしっかり聴いてみて、そこで何が起こってるかがわかると良いかと。
以上、そんなところです。