<ネタバレ>かなりハイレベルにグログロな映画で、拷問でズタボロになった少 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>かなりハイレベルにグログロな映画で、拷問でズタボロになった少女らの「見た目」の悍ましさも然ることながら、特に話の内容の方が欧米映画にしては珍しく際立って悍ましい、という作品である(正直、頭がどうかしちゃってる、というレベル)。ただ、最大のポイントである「死後の世界を見るために『殉教者』をつくり出す」というアイディアは、あくまで個人的には説得力というか映画のコンセプトとしての質の高さを大いに感じるし、話の内容の方にここまで嫌悪感を感じられるというホラー、としても、だいぶん希少価値が高いとも感じられる。
その他の点にしても総じて色々と良く出来ているというか、巧みだと思う。特に、序盤からの訳の分からなさを意図的に残しつつ、パワフルにテンポ良く展開して段々と話が見えてゆく前半の展開運びなんかはホラー的に実に秀逸だと思うし、後半も単純にお話として相当に面白い。恐怖描写も、前半のキレの有る力技も、後半の陰湿な拷問の場面も、どちらも迫力や痛さ・エゲツ無さの点で出色である。全くの救いの無さも含めてネガティブ全開な作品ではあるが、ホラーとしては純粋に一流かと。もし今作が無かったら、2000年代のフレンチ・ホラー・ムーブメントの歴史的評価は、全く異なったものになっていたであろう。