<ネタバレ>「シャイニング」は、それを持つ者を決して幸福にはしない。むし .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>「シャイニング」は、それを持つ者を決して幸福にはしない。むしろその人生を困難にし、悲劇をもたらすこともある。しかしそれでも、人知れず他者を救い、世界を変えていくことが出来る。能力を持つ者が正しい心を持ち、正義が継承されていくことこそ、「シャイニング」が存在する意味であり、希望でもあるのだ。
静かで重厚、かつ非常に陰鬱でハードな展開運びにより、異能の能力者の「悲哀」を的確かつ強力に表現しつつ(前半が相当に緩慢なテンポで、少し疲れるくらいに歯応え十分)、最後の最後で儚くもはっきりと前向きなテーマを描き切っている本作のシナリオは、ダーク・ファンタジーとして内容的にかなり高水準な上に見応えも抜群で、優れた仕事だと言ってよいと思う。
本作は完全なファンタジーであり、ホラーでは無いが、ホラーを期待されている(と思われる)作品なのにチープな恐怖描写に走らず、シリアスな物語を貫徹している点も好印象である。チープさを排すると言う意味では、極めて正統派で真っ当な美人であるレベッカ・ファーガソンを悪役に起用することで、ワンランク上のスタイリッシュな(ただし底冷えのする程に冷徹な)邪悪さを演出した点も効果的であったと感じる。前作との関係性の面でも、シナリオ的にも終盤の仕掛けに例のホテルを不自然さ無く繋げている点で巧みだし、(主展開を邪魔することなく節度を保って)前作の名場面をフラッシュバックさせるシーンも種々有り、続編としての楽しみも十分に備えていると言える。一点、野球少年の虐殺シーンはかなり惨たらしい上にさほど効果的とも思えず、もう少しマイルドにしても良かったかと思う(見応えは更に増しているとはいえ)。[良:1票]