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<ネタバレ>決してそこまで悪い作品ではないかと思います。ただ今作は一点、本筋の心理サスペンスの部分については率直にかなり高度というか、ハッキリ「難解」だと感じます。とにかく、事件当時の芳根京子の行動、そしてその心理は、作中で非常に丁寧にその背景事情を説明された上でもなお掴み切れない、というか納得には至りませんし、結局裁判所の最終的な事実の解釈も弁護側のストーリーとは異なるものに終わりました(そこは所謂「単純な説明ほど正しい」という判断なのだろう、と)。私の観た感じの感想は「サスペンスとしてはやや消化不良」というのが正直なトコロです(それこそ、ちょっと原作の方も読んで確認したくなっちゃう、的な)。だから本作がヒューマンドラマチックに暢気なグッド・エンド風をカマして終わっていくのは、個人的にはチョイ違くない?という感じでしたね。
あとはまあ、演技、ですかねえ…北川景子ね〜彼女もある面で巧くなったというか、特に一定程度に感情を入れての部分はそこまで悪くなかったかと思うのですよ。問題は前半、彼女が公認心理師、つまりカウンセラーとして、相手を落ち着かせるよう(自分の)感情を抑制した静かなトーンで言葉を発してゆくシーン、ココがどーにも単なる棒読みに聞こえてしまう、のですね(同じアプローチの窪塚洋介の中盤の演技とは差が歴然でした)。いま一歩今後に期待、というトコロでしょーか。
最終的な評価はかなり迷いましたが、いったんこの位とさせていただきます(ゆーても心理サスペンスとしてまあまあ面白かったと思うので)。