<ネタバレ>前知識ほぼなしで見ましたが、お話としては、女子高校生4人の急 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>前知識ほぼなしで見ましたが、お話としては、女子高校生4人の急造バンドが、高校文化祭で、ブルーハーツの「リンダ リンダ」を披露しようと、猛練習したりするという、知っていたらスルーしてしまいがちな内容で、更に、ボーカルは韓国からの留学生という、駄作街道まっしぐらというか、駄作無双というか、そんな感じです。横道にそれますが、ブルーハーツが流行ったとき、私はリアルタイムで高校生でしたが、朴訥な感じがあまり好きにはなれませんでした。しかし今となっては、唱歌として再評価しているところで、日本語がはっきりしていて、思わず口ずさんでしまいます。聴きたくないけど歌いたくなるカテゴリーにおける、ひとつの完成形と言えます。話を元に戻しますが、冒頭に述べたとおり、駄作臭のきついプロットにもかかわらず、こんなに面白い映画を創れてしまうというのは、ちょっとした魔法を見たような感覚です。各シーンにおいて、人と人との関係により生じる「空気」であったり、「間」であったりが、ごくごく自然に再現できてるんですよね。各役者が下手な芝居をせず、役になりきり、キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。また、そのシーンが持っている味が出尽くすまで、ギリギリまで引っ張ってから次に繋いでいくので、空回りとか、上滑りとかが全くなく、着実にヒットが重なっていく感じです。出演者とスタッフ間において、そういった作品に対する姿勢や意識が、高いレベルで共有できているのが感じられ、監督の並々ならぬ才能を感じました。