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<ネタバレ>原作小説は未読です。50代で公園で野垂れ死んだ女性の波乱万丈人生を、遊び心に富んだ脚色と映像で綴っていく悲喜劇です。光GENJIの内海さんなど、ツボに嵌るところと、遊びが過ぎて悪ノリの域に入り、見ていて引いてしまうところと、色々と、ごちゃ混ぜですが、テンポが良くて飽きることはありません。例えば、幼少時の松子が、変な顔をして父親を笑わせようとするのは、まあ、微笑ましいエピソードで済ませることができますが、大人になった松子が、窮地に立たされると癖で変顔してしまうというバカ設定は、痛くて笑えないので、できれば無い方が、こちらとしては助かります。キャラクターがマンガティックにデフォルメされていて、ちょっとあざとさが見えてしまうつくりなので、受け手側も構えてしまい、どうしても繰り出される笑いに、アタリ、ハズレが出てしまいますね。ベタベタの直球は、やはり笑うのがなかなか難しく、変化球で、なんとかカウントを稼ぐという感じですかね。例えば、谷原章介の演じる男性教師キャラの歯が光るのは笑えないけど、ジャージのズボンを引き上げてゴムをパンパンさせるのは結構笑えるとか、細かいことなんですけどね。映像は、やりたい放題に、原色鮮やかに不自然な絵づくりをしていますが、毒々しいところがありつつも、色彩のバランス感覚は優れていて、一風変わった独特な作品世界を築いています。