1.人生において、あの時ああしておけば良かったとかこうしておけば良かったとかは誰しも思う事だろう。
我々の毎日はそういった無数の選択の連続に成り立っていると言っていい。
この作品では大学一回生である主人公が、薔薇色のキャンパスライフを夢見てサークルや友達との交流など、無数の選択をしていくが、結局は願ったような結果にならず悪友の小津を始めとした奇々怪々な人物達との不可逆的な交流に巻き込まれ、およそ薔薇色とはかけ離れたどうしようもない日々を送る事になる。
しかし、2回生の最後に「時間よ巻き戻れ」と叫ぶ事でまた入学時にタイムスリップするのだ‥‥嘘。そんなわけはない。
映画サークルであったりサイクリングサークルであったりソフトボールサークルであったり秘密機関「福猫飯店」であったり、毎話色んな所へ加入する主人公が描かれる。最初、視聴者はどういうことなのかと首を傾げるだろう。しかし、これは違う選択をした主人公に過ぎない。何度もタイムリープして楽しんでいるわけではない。つまりパラレルワールド。
視聴者である我々の周りにもまたこのように無数の可能性で出来た世界が広がっているかと思うと興味深い。
長くなってしまったが、このアニメは森見登美彦の原作を忠実に再現している上に湯浅氏の独特な作風がマッチしていてかなり良い出来である。実写を取り入れる等の実験的要素もあって四畳半という空間が無数に広がる光景は面白く、OPとEDの曲も凄くキャッチーな曲でクセになった。