1.《ネタバレ》 以前、何かのテレビ番組でさいとう先生が「ゴルゴ13は、ストーリー自体は荒唐無稽だ。その荒唐無稽な話にリアリティを持たせるには、背景を徹底的に描き込まなければいけない」みたいなことを言っていたんですけど、この考え方というのは映画制作においても同様でして、似た様なことをいう映画監督も多いんですね。つまりは一人の表現者、プロフェッショナルとしてのいわば神髄みたいなものだと思うんです。この漫画、他に類を見ないほど街並みとか、乗り物とか小道具とか、すなわちバックグラウンド全てが徹底的にリアルに描き込まれている。作画の人たちが、たくさんの写真を集めてそれを丁寧に漫画の世界へ書き取っていくわけですね。デューク東郷はスナイパーのプロフェッショルですけれど、この作品を生み出す制作者たちもまたそれぞれプロフェッショナルなわけです。プロが作り出す、プロの世界。それがゴルゴ13なんです。