1.「読むと働きたくなる!」ってどこかで宣伝していたけれどほんとうにその通りで、このマンガを読むと働くということがすごく楽しい行為であるかのように思えてくるから不思議だ。読んだだけで元気をもらえるのが安野モヨコ作品のもっとも素晴らしいところだと思う。
また回ごとに視点が切替るなど、入念な取材に基づいた説得力のある構成となっており、著者の語り手としての成長が感じられる。『ハッピーマニア』みたいな勢いでつっぱしる作品も面白かったし、過去にも『ラブマスターX』みたいな入り組んだ構成の作品はあったけれども、そうした素質がこういうリアルで、恋愛が主眼ではない作品に結実するとは思いもしなかった。
安野モヨコという天才に脂が載り切った今、もっとも楽しみな連載のひとつです。