1.未来予知の道具を与えられた12人が、最後の1人になるまで殺し合う、というサドンデスゲーム。それぞれの予知能力が持つ異なる特性を利用して互いに知略を巡らせる、というアイディアは面白いんだけど、『デスノート』や『ジョジョ』のあとに読むと二番煎じという印象も否定はできない。
けれどこの作品にはもう一点面白いところがある。それはヒロイン由乃の、完全にイッちゃってる人物設定だ。強力な能力であるはずの未来予知をも、彼女の狂った発想が上回ってしまう。予知能力ですら狂人の思考回路についていけない、というのがなかなかに痛快だ。
リアリティを拒否するような作風がちょっと苦手(十八歳少女の爆弾テロリストが出てきた時点でひいた)だけど、こういうノリじゃなかったら矛盾点に突っ込みたくなったかもしれない。細かい荒はマンガらしい良い意味でのいい加減さ、として受け流そうと思う。
今のところ人に薦めたくなるほど良い作品だとは思わないが、どうやら作者はラストまで明確な構想があるようだし、このイカれた女の子にどんな着地点を用意しているのかによっては、現時点より点数を上げてもいいなーと思っている。