4.この漫画は小難しい政治的思想など持ち出す必要の無い、[戦争と原爆を実体験した作者からの読者への手紙]だと思います。存分に物語に浸り、画に姿を借りた作者のメッセージを受けてから、受け手がそれぞれの人生に生かす、それだけで良いと思える価値ある漫画ですね。いつの世でも人間ってのは大激変を自分の利益の道具にしようと考えるし、イザとなれば血の繫がりなど屁でも無くなる。自分が生き延びるためなら文字通りに他人だろうが血族だろうが食い物にする。使い古された言い方ですが戦争より兵器より、遥かに残虐非道で恐ろしいのは[一線を越えた人間の心]。でも、その心で結びついた関係こそが大切なもの、という人間関係の真実を再認識させてくれる素晴らしき傑作です。作者の急逝で未完の大作となってしまったのが惜しい。どんな暴力的迫害をうけても(鬱陶しいほど)清廉潔白に強靭に生きようとするゲンと、人間社会の本質を見据えて裏街道を逞しく邁進する隆太。この[ド根性義兄弟]の生涯を見たかったです。死地を潜り抜けた強固な絆で結ばれながらも、微妙にイデオロギーの相違と仲違いの描写も見えていたので。
それにしても主人公のゲン、物語全編を通じて、可哀そうなくらい頭に災難が多すぎる少年ですね(最後は隆太にまで加害されて、、涙)。 【役者の魂】さん 10点 [全巻 読破](2013-09-21 07:35:36) |
3.事実に基づいた名作であることは間違いないが、正義感に満ち、反戦意識の強いゲンおよびゲンの家族に感情移入することを通じて、第二次世界大戦を被害者意識で理解する可能性がある。事実、子ども自分にこれを読んだ私は、我が国を戦争に引きずり込んだ支配者層・軍を憎んだ。多くの国民が、軍を支持し、戦争を支持し、加害者であったということを忘れさせるとすれば、この作品も罪である。 【みんな嫌い】さん 6点 [全巻 未読](2008-09-21 20:33:51) |
2.原爆の実態を初めて教わった作品。 小説などの文字だけのメディアでなくマンガというメディアでなしえる、情報伝達力であり、だからこそ、当時、小学生で有った私にも原爆の恐ろしさを十分に理解することができた、単にマンガと言えない作品である。 だからこそ、マンガであるが、小学校の図書館とかにも置かれている名作である。 作品自体は、その時代に生きたゲンの成長劇であり、原爆の恐怖が如実に書かれた部分は前半の3分の1程度で、その後は、戦後の混乱期を中心とした物語である。 その前半部分がインパクトが異常に強くどうしても後半部分地味目なのが残念な作品である。 ただし、日本人で有ったら一度は目を通して欲しい作品である。
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1.最初に読んだのは、小学生の時(~5巻くらいまで)、衝撃的でしたね~ 名作です~.. 【コナンが一番】さん 9点 [全巻 未読](2008-01-29 12:33:01) |