2.今のところ女の子が何者でなにが起きているのかさっぱりわからない。でも面白いし、きっちり説明されてしまったらかえって興醒めしてしまうんだろう。よだれのネタは冷静に考えると気持ち悪いような気もするが、絵柄のおかげで毒気が抜かれている。日常を舞台にしていても、この人の作風だとなんとなく異世界の空気が漂っているのが面白い。妖気というほど怖くはないが、この世にはありえないおもちゃ箱をひっくり返したような変てこな雰囲気。著者の以前の作品はいたずらに題材や世界観に意匠を凝らして人物がはりぼてのように感じられることもあったけれど、これに関しては安心して読める。