1.数人の知人から薦められたので、書店にて本書を手に取り、「メイド喫茶で働くドジっ娘女子高生」が主人公の生活系やんわりミステリ漫画だ、と、ジャケで判断。まったく、数人の知人は、何考えてんだ?「エマ」が面白いだとか坂木司の「生活系ミステリ」が最近好きだとは言ったが、これはナイ。と、判断したのが一昨年だっけか。
数人の知人よ。俺が悪かった。読んだ。「それ町」を。完全に「食わず嫌い」でした。
小田扉の「腑抜け」な笑いと、あずまきよひこの「ズレた」笑いの中間点のような読後感でした。時折にジーンとくるイイ話もあるんですが、最後は笑いで落としてくる作者のコダワリもミエカクレしていて面白かった。作者自体ミステリファンなのか、伏線の張り方もかなり巧妙。下町の物語なのにタビタビ登場する宇宙人が、今後どういう展開で絡んでくるのか?にも、期待です。
そして、この作品は(2008年現在)未だ燻りつつある世のメイド・ムーブメントに対して、「エマ」とは全くの別路線で対峙している漫画だ!とも、勝手に感じた。石黒正数、恐るべし。