1.かつて一世を風靡し様々なメディアで消費し尽くされた漫画ですが、それらを知らない世代の自分が読んでも面白い。主人公の拝父子と宿敵柳生一族は勿論の事、何気ない行きずりの人々の描写が本当に素晴しい。武士・浪人・農民・町人・渡世人…当時の様々な階級の人々が何を考えどう生きていたかが実に解りやすく表現されている。個人的なお気に入りは、農政を巡り藩主と庄屋が対立する第57話「十三弦」。また本作はおそらく最も早く世界でヒットした日本漫画。同時期に売り出されたゴルゴやカムイ伝がぱっとしないのに係わらず本作だけが異様に売れた事に関して、当時の様々な週刊誌(文春、朝日、プレイボーイ等)に取り上げられていました。日韓W杯時のブラジル代表ロナウドの大五郎カットやロナウジーニョの拝一刀コスプレも記憶に新しい。