1.おそらく日本の未来を考えるに当たって避けて通れないであろう「在日問題」を真正面から扱った力作。
第1巻は新大久保デモ、第2巻は海外の従軍慰安婦像、第3巻は児童公園不法占拠とヘイトスピーチ規制法。それぞれのテーマで1巻読み切り。
どういう意志決定が働いているのかメディアでは全く報道されない数々の重要事件が、フィクション交えとても判り易く表現されています。
妙な法律が施行され(どう考えても憲法違反)中々難しいご時勢かと思われますが、作者氏には是非とも続刊を頑張って描いてほしいものです。
個人的に少し残念なのは主人公のお父さん。最初はごく普通の人だったのに、途中から活動家に置き換えられてしまった。こういう人は確かに居そうですが「親戚の個性的な叔父さん」くらいに留めた方がよかったかも。
自分を含む多くの人の父親世代というのは、朝鮮人批判に眉をひそめるものの深層ではそうでもなく、時にこっちがビックリするような事を意識せずに言ってみたり。長年情報を独占してきたマスコミ偏向報道の賜物か「本音と建前」ではなく、自分自身でも全く意識しないまま二重の基準が存在するといった、この世代独特のメンタリティを感じることが多いです。
そういう点で、本作では最初の設定のように「主人公の言動に(本気に、だけど表層的に)眉をひそめるお父さん。でも極限的な状況では本質の良心的な部分が出てくる」方が、より多くの人が共感できるような感じになったのでは…と思います。