1.《ネタバレ》 鬼退治と聞いて「彼岸島」や「進撃の巨人」のような話と思っていたら、様々な能力を持つ異能者達が決闘する話。「ジョジョ」や「甲賀忍法帖(バジリスク)」の質感に近い。
敵も味方も様々な登場人物達が凄くキャラ立ちしてて読み応えありました。さすがジャンプ。
どの戦いも敵を倒すまでのハードルが恐ろしく高い。苦労してやっと斃したと思ったら本体は別に居たというような。でも主人公側もそれに劣らず諦めない。仲間と協力し時にその屍を踏み越えながら相手をきっちり倒すさまは、昔ながらの「友情・努力・勝利」のジャンプのテーマが結実したものと言えましょう。
「ジョジョ」だと時に一体何のために戦っているのか解らなくなる時あるけど、本作は「鬼退治」という設定がブレないのがいい。またジャンプによくある人気テコ入れのために今の敵グループを噛ませ犬にさせて新たな敵が登場しないのもいい。決闘ものとして安定した読み心地。特に終盤、畳の迷宮でのトップ3との決戦が良。出てくるだけでホッとする伊之助(猪頭)も良い。
ただ全ての決着がついた後の後日談があまりにも蛇足なので、やや減点。
映画がとてつもない興行収益を上げそうだというニュースが流れてますが、個人的には違和感有り。基本は少年漫画=殺し合いの戦いを面白く読ませる・・なので一定年齢以上の層は受付けないと思うし、「千と千尋」のように海外批評家が選ぶ名画100選なんかで本作が選ばれるのは想像し難い。「北斗の拳」や「ドラゴンボール」の昔からある「人気漫画の劇場版」として面白く魅力的に作ってあるとは思うけど、他によっぽど見たいと思わせる映画が無いんか・・と邦画界の現状が逆に心配になってしまいます。