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1.  バジリスク―甲賀忍法帖
山田風太郎の原作がストーリー・ビジュアルイメージとも完成度が高いので、漫画化された当時はあえて読む気が起こらなかったのですが…勿体ない事した。最近読んだ万城目学の忍者小説から「甲賀忍法帖」読み直してまたハマリ、今度は漫画も読んでみました。個人的な理想は小島剛夕のようなリアル画だけど、コレはコレで悪くない。各々のキャラを自家薬籠の物としていて読み応えありました。小説では今一つ区別つかなかった朱絹と陽炎の風貌の描き分けなどお見事だし、若いような老けてるような天膳のルックスも上手い。蓑念鬼は白土三平や沙村弘明辺りが描きそうなもっと下賤な野生児ってイメージだったけど、こういうユニークなキャラも悪くないです。惜しいのは背景がほとんど写真のCG?な事。作者氏が風景を描く事に興味がないのか、物語後半の道中記的な(ロードムービー的な)味わいが楽しめず。原作の名シーンの一つである関宿での蓑念鬼vs豹馬の対決は「もうちょっとこうだろう…」的な感覚に身悶えしました。  アニメもオリジナルなエピソードによって更に各キャラの個性が深めてあり良かったです。ただ一つ頂けないのは肝心の朧さま。確か小説では「あらゆる忍法を破れる代わりに自身でも忍法を身につける事ができない」が、剣術や体術は普通に一流だったはず。(そうでないとラストの対決が成立しない。)漫画ではちゃんと「怒ると怖い朧さま」だし、頭領としての立振る舞いや葛藤が描かれていてまだ良かったですが…。アニメでは何だか頭領でも忍びですらない甘えん坊なだけのお姫様みたいになってしまい、朧本来の魅力が台無しに。「10人衆対決」という元々の趣向から見ても極めてバランスが悪くなってしまった感じで、これだけは残念でした。
8点(2013-05-12 06:33:48)
2.  バオー来訪者
お寺の地下に仮面の男達が鎮座する風情や、夕暮れの郊外の団地の廃墟に殺人ゴリラが佇む風情など、どことなくシュールでいい感じ。打切りによって逆に作品としてキチンと纏まったものになったというのも皮肉。個人的にはジョジョより好きかも。
8点(2009-03-01 05:52:08)
3.  BIOMEGA(バイオメガ)
「BLAME!」で死闘の舞台となった東亜重工の遺跡。本作はありし日(何十世紀前?)の東亜重工が主人公。「BLAME!」での静謐な世界から一転してアクションがメイン。こういう表現力も素晴しいです。ゾンビがドロドログチャグチャはあんまり好きくないですが…
8点(2008-02-17 00:30:10)
4.  バトル・ロワイアル
可視化されたBRの中では比較的原作に忠実でよく出来てる方だと思う。けどやっぱり演出過剰気味ですね。(格闘、セックス、やたら泣きすぎる事等) この人の人物絵はあまり好きではないですが、人物と風景の絡みが秀逸。様々なシーンにおいて島の風景が自分のイメージとばっちりな所が多く、そういう点では満足度が高いです。あと本作に限った事ではないけど元渕(委員長)の描き方に少々不満が。ああいうガリ勉タイプは確かに居そうだけど委員長のタイプじゃないでしょう。例えば「バツ&テリー」に出てきた空手使いの生徒会長、或いは「宮本から君へ」の外交官志望のラガー男、ああいう日常ならば屈強な存在が、権力から切り離された途端に脆く崩れ去っていく…こういう辺りも本作のテーマだと思うんですが。
7点(2009-09-21 09:49:58)
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