1. フリージア
犯罪被害者が加害者に対して復讐できる敵討ち法なる法律が存在する現代、被害者に代わって加害者を殺す執行代理人なる仕事についた叶ヒロシ、彼は普通の人と違う思考回路で今日も犯罪者を殺すって漫画。正直、主役の叶は狂ってる感じなので、意味が分かんない部分もあるんだけど、仕事中、一見、ボーッとしてて、上の空なんだけど、確実に殺すってところがなんかすごい。相手から、存在そのものを消す特技もあったりするし。視点はつねに叶視点じゃなく、時には彼の同僚だったり、時には犯罪者側だったり様々。叶以外のキャラはわりとまともな描写のでわかりやすい。でも、よくある、殺し屋の痛快アクションを描いたエンターテイナーな感じではなく、また人を描いた感動物語でもない。なんてゆーんだろう、冷めた視点で淡々と描かれる混沌とした日常、ある意味現代の空気感。どこか壊れた感じで殺伐としてるけど、先が気になり夢中で読んでしまう。とにかく、主役はつねに混沌としてます。 10点(2008-08-28 21:26:05) |
2. シグルイ
南條範夫の小説「駿河城御前試合」を独自のアレンジで描くエグキモ時代劇。漫画の表現そのものがトラウマ的なキモさなんで、展開そのものは目新しくなくても、グイグイ引き込まれる。台詞も少なめだけど、画だけでグイグイ引き込む。人間の精神や肉体の暗部を表現する漫画パワーは作者の気迫を感じる。だから怖いものみたさでドンドン読んでしまう。台詞のない場面の画もさらっと飛ばさず、その画の裏に秘めた色々な事を考えつつじっと観てしまう。内容は盲目の剣士と隻腕の剣士の決闘からはじまり、その過去へとさかのぼる。彼らの間にいったい何があったのか?とゆう感じで。剣の必殺技も魅力的。理にかなってそーで奇想天外な必殺技。意外と知らない侍時代の世界観も、なるほど~と思い、ある意味、時代劇の見方がかわってしまった。ちなみに小説も読みましたが、細かいストーリーは全然違う。でもこっちも変キモ剣士多数登場でわりと楽しめました。 10点(2008-08-11 17:10:50) |
3. GANTZ
無作為に選ばれた人達が死ぬ瞬間にどこかの部屋に転送され、そこで黒い玉より謎の指令をうけて、町に潜むヘンテコな星人達を攻撃、日常生活と人知れず星人と戦う生活の繰り返しの中で、やがて主人公たちは社会をも巻き込んだ大規模な渦へとのまれてゆくとゆう内容。クールで不条理な世界観、台詞も希薄で、漫画の表現や描写もなんだかすごくシュールで無機質、冷徹。なのにそれが逆に、冷え切って情緒が無い現代の都会感があり、リアルじゃないのにリアルに感じてしまう。グロ描写も容赦なく表現し、展開そのものも容赦がない。色々な星人がヘンテコで若干コミカルに思えるが、これもいざ戦闘になるとヘンテコすぎて逆に不気味に感じてしまう。何が起こるかわからないので、先があまり読めない。とにかく無機質な漫画。連載は続いてるが謎はまだまだわかんない。星人って何者?黒い玉は何?しかし謎の解明はそんなに気にならない。むしろ主人公たちの行く末が気になる。あと次はどんな星人が登場するのか気になる。 10点(2008-08-11 16:31:16) |
4. DEATH NOTE
この漫画、絵がきれいで、かっこよい演出や、斬新なアイデア、先の気になる展開などですごい引き込まれるんだけど、俺が特におもしろいと思ってしまったのは、所々にある、すごく細かくて幼稚な描写。いちいち家族と自分の食べるポテトチップスの種類の違いを説明するくだりや、FBIの幼稚でバカな描写、言葉だけで周りに自分を白と思わせ、それをいかにもすごい事のように描くくだり、キラの自信たっぷりな作戦なのに、すっごく幼稚でなんか観てるのが恥ずかしくなるよーな表現、この幼稚な描写が、なんか子供がすごい力を持って世界を正そうとする幼稚さと絡まって、独特の風味をかもし出している。世界に対して怒りをもつ学生の妄想がそのまま具現化した世界観があのかっこよい絵と長ったらしく読者を強引に納得させる台詞で見せられると、逆にすごく新鮮で、異様にのめりこんでしまう。そして、それとは反対に、LやNなどのキラを追う側の描写は意外とまっとうであったりする。この冷静な部分と稚拙な部分のギャップがさらに俺を異様な世界へと引き込んでくれる。さらにキラに利用される女達の痛い表現、特に弥海砂の痛さはかっこ悪いを通りこしてむしろかっこよいと思ってしまった。 10点(2007-10-29 12:50:03) |