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進撃の巨人 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 進撃の巨人
連載開始年 2009
ジャンルアクション,ドラマ,SF,アドベンチャー
レビュー情報
《ネタバレ》 ひとつのキーワードを口にすれば、おそらく半分以上のパーツが有機的に繋がってくる。宗教画家のヒエロニムス・ボッシュだ。
類を見ない凄惨さ、画的な遠近の崩壊、中世ゴシック風の建築様式、裸体で手足の短い巨人…『快楽の園』『最後の審判』あたりのボッシュの代表作を見れば、大体察しがつくだろう。本作はカトリック教の黙示録的な枠組みに現代の倫理観をぶつけるという意味で、記号的にはエヴァンゲリオン(TV版)の亜種に分類できる。またそこから派生して、巨人が人類に審判を下す《天使》として機能していること、《人間》であり《神性》をも秘めるエレンは再降臨したキリストの立ち位置にいるであろう事が推測できる。大きな枠組はこれで理解完了だ。
だがこれだけで終わる話ならレビューすら書く気にならん。恐ろしいのは、1巻目冒頭の「なんかすっげー長い夢を見ていた気がする」というセリフ/そして1話の『二千年後の君へ』というタイトルが、ルールなく素っ頓狂にジャンプする語り口に効いてくる点だ(計算なしに素でやってるとは思えない)。もう一段上のメタな構造がありそうな匂いがする。
ここにまたキリスト教の《信仰》なんかを絡めて世界構築するとジーン・ウルフの『新しい太陽の書』、個人の成長物語に留めようとすると『エヴァンゲリオン』、グダグダにやってしまうと『大日本人』というあたりか。
定期的に登場する800番台の数字のコマなんかを考えると、ちゃんとした仕掛けは用意されてそうだ(って書いたけど、読み直してみたらコレただの年号かよ…?)。ガチガチのキリスト教的世界観をどこで、どうイリュージョンさせるか。読者として今の興味はその一点に尽きる。
エスねこさん 7点(2011-09-20 01:23:10)
その他情報
作品のレビュー数 11件
作品の平均点 6.91点
作品の点数分布
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6327.27%
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8218.18%
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作品の標準偏差 1.08
このレビューの偏差値 50.77
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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