この漫画、絵がきれいで、かっこよい演出や、斬新なアイデア、先の気になる展開などですごい引き込まれるんだけど、俺が特におもしろいと思ってしまったのは、所々にある、すごく細かくて幼稚な描写。いちいち家族と自分の食べるポテトチップスの種類の違いを説明するくだりや、FBIの幼稚でバカな描写、言葉だけで周りに自分を白と思わせ、それをいかにもすごい事のように描くくだり、キラの自信たっぷりな作戦なのに、すっごく幼稚でなんか観てるのが恥ずかしくなるよーな表現、この幼稚な描写が、なんか子供がすごい力を持って世界を正そうとする幼稚さと絡まって、独特の風味をかもし出している。世界に対して怒りをもつ学生の妄想がそのまま具現化した世界観があのかっこよい絵と長ったらしく読者を強引に納得させる台詞で見せられると、逆にすごく新鮮で、異様にのめりこんでしまう。そして、それとは反対に、LやNなどのキラを追う側の描写は意外とまっとうであったりする。この冷静な部分と稚拙な部分のギャップがさらに俺を異様な世界へと引き込んでくれる。さらにキラに利用される女達の痛い表現、特に弥海砂の痛さはかっこ悪いを通りこしてむしろかっこよいと思ってしまった。
【なにわ君】さん
10点(2007-10-29 12:50:03)