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書道部ってこんなに面白いものなのか?! と思ってしまうけれどたぶんこれほどではないだろう。もしかしたらこれ以上かもしれないが。
合宿に大会、ライバル校の存在などなど、ジャンルは文科系ではあるが話を盛り上げる素材としては過去のスポーツものに準じていて、なんとも巧みな換骨奪胎だと思う。各人物のキャラの立ち具合も、地味すぎず過剰すぎず、順当過ぎて嫌味なくらいだ。 書道に馴染みのない者にとっては知識が得られるだけでも楽しい。こうした作品に触れてしみじみ感じるのは、自分の知らないちょっとマイナーな領域でも、蓋を開けてみれば無限といっていいほどに広く深い世界が広がっているのだなあということ。 正直いって自分が書道の世界に足を踏み入れることはないとも思う(少なくとも、本格的に筆を持つことは)。だからこの漫画でたとえ擬似的にでも書道を体験できるのは、とても幸せなことだ。 面白そうな分野に片っ端から首を突っ込んでいたら人生が何十年あっても足りないから、大概は横目で見ながら通り過ぎるだけにとどめて、自分の好奇心とは妥協する。しかしこれを読んだあとにたまたま書道の展示に出くわしたりしたなら、今までと同じように平然と通り過ぎることはできないだろう。ど素人であるのは変わりないにしても、そこに広がる世界の豊かさの一端を垣間見てしまったのだから。 【no one】さん 7点(2008-05-18 14:48:52)
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