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「不完全であるがゆえに、完全を越えた作品」であると思います。初めはアニメを見ていたので、原作の凄まじさが衝撃的すぎました。とても直視出来ず、途中で読むのを断念;大人になってから改めて読破。やっぱり傑作。自分の手に余るものを描こうとしている作者の熱意がすごい。結構、無茶なところもありますが、圧倒的なパワーに押される。今の漫画の多くはこれが欠けている。作者が自分の手中に納まる範囲でしか描かなくなっているのです。狂気を描いていても、作者自身が狂っている訳じゃないから、結局は「外から見た狂気」しか描けない。読んでる方も知らないから納得してしまう。しかし、自分を超えるのものを描いてないから、伝わってくる温度が適温範囲なのです;自分の器からはみだしてでも描いていると、途中で破綻したり、迷走したりしてしまう時もある。それでも描かずにいられない。「デビルマン」はそのパワーが全5巻に高濃度で圧縮されています。理屈を当てはめるのは、この作品の本質からはずれるような気がします。考えるより、感じる作品と言えますでしょうか(傑作の条件かも)
【果月】さん 9点(2010-06-07 15:07:54)
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