1.《ネタバレ》 「深海怪獣 グビラ 登場」の回である。「協力 よみうりランド」とのことで、当時あった水族館の映像を使っていたと思われる。
普通の感覚でいえばガキが出て来て煩わしいエピソードということになるが、今回はそのホシノ君がかなり格好いいところを見せている。女児が泣こうが大人がゴネようが終始沈着冷静で、キャップからの指示で迅速的確な対処をみせるなど、実質的に科学特捜隊の隊員として働いているのに感心するが、こういう優等生は、現代であれば(当時も?)かえって毛嫌いされるのではないかと思ったりする。
しかし泣いていた女児を変顔で一生懸命慰めて、女児が機嫌を直したあたりは、子役の表情が自然な感じで和むものがあったといえなくはない。
このホシノ君との対比で、駄目な大人の例として出ていたのが「科学公団総裁」である。この公団は今回の海底センターの設置主体だったのではないかと思うが(マスコミの取材を受けていた)、その組織のトップともあろうものが「水圧も相当なんだろうね君」などという素朴な疑問を他人事のように科学特捜隊にぶつけるとか、そこで一度水圧の話が出たにも関わらず動転して海中に出ようとするなどほとんどまともな人間扱いされていない。「日本の科学を信頼して下さい」と他人に言われる科学公団総裁というのは一体どういう役職なのか。もとが高級官僚だったとすれば馬鹿ということは本来ないはずだが、当時からこの種の連中が全く信用されていなかったことの表れと取るべきか。
そのほかフジ隊員が、自分に失策があったと思って責任を感じていたのが単なる本人の思い込みに終わったのは若干不自然だったが、これも総裁との関係で隊員の責任感を強調するための趣向だったのか。最後に締めとして、フジ隊員に過失はなかったことが判明してほっとする場面、及び総裁が恥じ入る場面を入れてもらいたかったが、女児が父親のもとに駆け寄る場面が優先されたらしい。