1.《ネタバレ》 Season1では視点人物である片瀬那奈の存在が大きく、一般人とほぼ近い彼女の感性こそがド底辺の特殊な世界と視聴者との間の橋渡しをしていたのですが、彼女を失ったseason2以降は視聴者の感情の受け皿がなくなっています。これは痛い損失でした。また、群像劇に近かったseason1とは対照的にエピソードの数が絞られており、正攻法の努力もせずに漠然と芸能界入りの夢を見て地獄に落ちる中田のエピソードが核とされている点も、私にとってはイマイチでした。芸能界に憧れる若者という一般人とはかけ離れた個性を持つ中田よりも、サラリーマンや主婦がちょっとしたきっかけからドツボにはまっていくseason1のようなエピソードの方が闇金というテーマには合っていたかなと。
ただし、良かった点もあります。パチンコ中毒者の様子がかなり克明に描かれていたり、「You、○○しちゃいなよ」と某大手芸能事務所社長のような口ぶりで若い男をたぶらかすG10(ゴトー)というキャラクターが登場したりと、普通のテレビ番組では考えられないような危険な描写にまで踏み込んでいるのです。この作り手達の根性には恐れ入りました。