1.《ネタバレ》 前シーズンにて野望の階段をひとつ上がったフランクの次なる戦いが描かれるシーズン2ですが、作品の趣はかなり変わったように感じました。前シーズンでは自分より格下の者を掌で弄びながら野望を実現させていたフランクですが、戦いのスタージがワンランク上がったことで自分と互角もしくはうわ手の敵が相手となり、フランクが状況を意のままに操るという前シーズンにあった爽快感はかなり失われました。この点で、シーズン1がお気に入りだった私としては多少の失望がありました。
ただし、米中の財界の大物を敵に回しての戦いには緊張感があったし、そんな陰での死闘を表にはまるで出さず、上司たる大統領に忠臣として取り入ろうとするフランクのイヤラしさは相変わらず見ていて楽しく、世界中の中間管理職がフランク・アンダーウッドの振る舞いに拍手喝采したのではないでしょうか。
ついに大統領に野望が発覚した後、大統領とフランクが主導権争いを繰り広げるラスト2話の盛り上げ方は非常に素晴らしく、それまで着々と準備してきたカードを一斉に切っていくという総力戦感や、すべてのカードを切りつくし運を天に委ねるしかなくなった瞬間の焦燥感などが見事に演出されています。