1.《ネタバレ》 ナンセンスコメディである。しっかりした脚本、役者の力量、センスの良い演出無しでは、ただの笑えない自己満足ドタバタ劇で終わるだろう。
だがしかし!
なにしろ長瀬智也が良い。顔が良い、上背があって良い、がたいが良い、表情が良い、演技がコメディ向きで良い、何しろ絵になる、かっこいい。長い脚で肩をいからせてタバコをくわえてにらみをきかすと、なかなか美しい。
やくざの次代組長を目指す若頭(長瀬)は、あまりに学がないため、次代組長の条件として高校卒業を父親に言い渡される。後はお決まりのストーリー展開。年齢を10歳サバよんで通う高校に、初めは嫌々通っていたが、少しずつ変わっていく。そのワンパターン展開が、これだけ楽しめる。やくざ若頭の長瀬が、普段ソファにふんぞり返ってまわりに女をはべらせドヤっているが、高校では制服を着て保健室の先生に相談をする。そのギャプ、秘密をもつ(やくざと知られないようにする)工夫、徐々に変わっていくクラスメート、そのあたりを爽やかに時にハチャメチャに見せる。
若頭をサポートする組員、大杉漣と田中聖も好演。手越祐也はいかんともしがたいが、ojt感覚で素人を現場で育てていく方法は、日本の映画やドラマ界では、ジャニーズに限ったことでは無いだろう。長瀬もジャニーズだと思えば、広い心で見ていよう。