みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
36.なんだかとてもふしぎな映画で、一回目観て、「良い映画だな」と思う反面、「一体何が良いの分からない」という、この映画の世界観の中を浮遊するような感覚を覚えた。 しばらく経っても、ふわふわと落ち着かなかったので、160分のこの長い映画をもう一度観た。 二度目は、160分なんて時間をまるで感じず、終始居心地良くすんなりと観終わることができた。 結果、ふわふわとした浮遊感はそのままだったけれど、その部分こそが、このふしぎな映画の愛すべき価値そのものであり、主人公横道世之介の魅力だと思う。 人生においては、ささやかな出会いと別れが無数に繰り返される。 その出会いの中で、自分の人生を左右する程の喜びや感動に巡り合えたとしても、時の流れは、それらを記憶の片隅へと追いやり、仕舞い込む。 時の流れは無情で、取り返しのつかない喪失を伴う場合も多かろう。 あんなにも輝いていた思い出なのに、どうして今の今まで忘れてしまっていたのだろう。と、人は思う。 でも、思い出すことで、その思い出は色褪せることなく再び輝き始める。 忘却してしまっていたことが不幸なのではなく、思い出せることが幸福なのだということを、この映画は眩いばかりの輝きの中でしっかりと伝えてくる。 長い映画であることは間違いない。ただし、その中には愛しくて仕方ないと思えるシーンが溢れている。 僕は今32歳だが、おそらくこの先観返す度に、その眩さと愛しさに更に涙が溢れることだろう。 いろいろと語りがいのある映画なのだが、何よりも特筆せざるを得ないのは、吉高由里子が演じたヒロインの存在。 この特徴的で同時に繊細な心持ちのバランスを孕んだヒロイン像は、たぶん、他のどの女優が演じても、見ていてただただ気恥ずかしいばかりのものになってしまっただろう。 夢を見ていると、その世界の中で、説明はつかないがどうしようもなく魅力的な女の子が登場し、目が覚めても彼女に対する恋心が消え去らないということがしばしばある。 この映画で、吉高由里子が演じたヒロインは、まさに夢が覚めても忘れられない存在そのもだ。 彼女が演じた与謝野祥子にまた出会うために、僕はこの映画を再び観るだろうとも思う。 ともかく、また一つ愛すべき青春映画が誕生したことは間違いない。 そして、“大人になりかけ”の若者の青春群像に、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの楽曲はよく似合う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-09-05 23:45:45)(良:4票) 35.素晴らしい青春映画でした。 物語の舞台は、日本がバブル絶頂期であった1980年代です。 仕事に困ることはほとんどなく、経済成長がまだまだ見込まれ、携帯電話もインターネットも存在しない時代です。 街ではみんな「シャツをズボンをIN」で、看板には「AXIA」「さくらや」「コンバーチブル(今もあるけど)」、台詞として「ねるとん」などのことばがつぎつぎと登場します。 当時に青春時代を過ごした人にはきっと懐かしむことができるでしょう。 しかも本作は、それよりも未来の登場人物が「あのころ」を懐かしむ描写もあるのです。 青春を過ごした「あのころ」を思いだし、そのノスタルジーに浸れる、今の30~40代の方にはどストライクな映画なのです。 もちろんこの映画は若い方にもおすすめできます。 明るいキャラの高良健吾と、お嬢様を演じた吉高由里子のバカップルがめちゃくちゃ可愛いからです。 正確に言えばバカップルと言うよりは「友達以上恋人未満」な状態が続くのだけど、この2人のやりとりが微笑ましく、時には笑えます。 さて本作のネックとなるのはやはりその上映時間でしょう。なんと2時間40分あるのです。これでは観るのを躊躇してしまう方もいるのではないでしょうか。 しかし長さの主たる原因は、登場人物の動作や感情を細やかに描いたためであるので、その上映時間は無駄だとは思えません。 また中盤のシーンでは、「あること」を観客に気づかせる描写があります。 これがあるからこそ、横道世之介の青春をより見届けたくなり、2時間40分の最後まで飽きることがなく楽しめるようになっています。 映画全体を引き締める、素晴らしい「仕掛け」だったと思います。 本作では、輝かしい青春時代を追体験できるという、まさに映画でしかできない満足感を得ることができます。 役者のファンだけではなく、デートのチョイスにも是非! 【ヒナタカ】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-02-24 12:04:59)(良:3票) 34.見終わって直ぐレビューを書きに来て、ああ、こんなに長い映画だったのかぁって感慨深い気持ちになった。 長さを感じさせないというか、ずっとこの物語の中に居たかったというか、なんとも味わい深い作品でした。 世代的に近いということもあってか、この辺りの昭和感が懐かしく感じられて、古い友達のことを思い出すような感覚に陥った。 シナリオの構成もそんな感じになっていて、まんまと嵌められた印象です。 断片的にしか描かれていないこともあって、想像するしかない部分もあるけど、終盤は切ない気持ちにされられましたよ。 それでも、何故か涙は零れなかった。 号泣して世之介のことを思い出すんじゃなくて、そんな友達が居たなぁって懐かしむ距離感なんだろうな。 主人公に感情移入させて青春の日々を追体験させる作品も好きだけど、こんな風に疎遠になった友達のことを思い出させるような試みも面白いですね。 どう考えてもハッピーエンドではないし、悲しむべき出来事だったんだろうけど、横道世之介という人と出会えたことを幸せに思える作品だったように思います。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-06-14 21:45:58)(良:2票) 33.2度目の鑑賞、まぎれもなくこの作品が好きだと再認識。 とにかく愛おしい祥子と世之介のカップル。祥子が「世之介!」と母親のように呼びつづけるシーンは感動と可笑しさで胸がいっぱいになる。 真っ昼間からやろうとして祥子に説教される世之介も超かわいい! 友達の倉持とのかみ合わない会話(この子もアホっぽくてかわいい)、加藤とのやりとりなど、すべてが愛しい!そう「愛しい」という表現が一番しっくりくる。 【kosuke】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-10-20 22:38:34)(良:2票) 32.高良健吾と吉高由里子のコンビが実に良い。青春ものの映画にしては上映時間が非常に長いのが特徴だが、この長さが苦にならない、むしろずっと続いてほしいと思わせるような、いい意味でのユルさや多幸感に溢れている。そしてその多幸感やユルさを象徴しているのが、主役二人の演技。ボケにボケを重ねて押し通すようなカップルなのだが、観ていて「なんかこいつら可愛いな、すごく楽しそうだな」という印象を持つから、これは二人の演技が凄いのか、もしくはこの二人の組み合わせが抜群の化学反応を起こしているのだろう。高良・吉高コンビはこれで2度目だと聞くが、今後も30代・40代になって歳を重ねてもこのコンビが見てみたいと思った。 既に他の方も仰っているが、主人公の死去が中盤から提示されるにもかかわらず、この映画は切なくはなっても、空気感は常に明るく爽やかだ。世之介の人物像、ふとたまに思い出しては、あいつは良い奴だった、面白い奴だったと笑顔で口にしたくなるような男。そんな主人公の人柄が映画全体の空気にもリンクしている。そしてこの映画自身、ふとたまに思い出しては、あれは良い映画だった、面白い映画だったと口にしたくなるような存在になりつつある。良い映画だ。 【nakashi】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-09-14 18:11:13)(良:1票) 31.高良健吾がウザッたさをうまく演じていました。吉高由里子はうまいのかヘタなのかよくわからない女優さんです。うまく説明できませんが、なぜだか心に残る作品でした。見終わった瞬間にもう一度観たいという衝動にかられました。吉高由里子の「ごきげんよう」のルーツはここですね。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-05-17 00:04:23)(良:1票) 30.原作にあった青春の葛藤や痛みみたいなものが感じられず(法政・水泳・長崎等々著者の自伝的要素も含まれているような)、田舎から上京してきた世間知らずの人のいい大学生のように描かれてしまった事には違和感があった。が、さすがに映像の力というかバブル時代のノスタルジー感は満載で、『三丁目の夕日』に感動する団塊世代を揶揄できないなと。(遠景のシーンでは近代的マンションが映りこんでしまって、やや粗もあるのが難点。) オチを知った上での台詞や展開を楽しむ事の有意義を感じながら見ていたら中盤でマサカのネタバレで、過去と未来が行ったり来たり。でも、こういう製作手法もこれはこれでよかったのかなという気もする。 横道世之介に対する関係者の想いもそれぞれで、存在すら忘れたり、存在だけは覚えていたり、存在が忘れられなかったり。出会いがあって関係を構築しても、それを維持できなければ死ですら影響を与えられないのだなあと思うと、何とも切ない気持ちになる。 初見のインパクトは弱いが、こういう映画ってあとからジワジワくるんだよね。自分の過去も彷彿とさせるし、夢に何度も出たりして。 中年にはそれなりに響く作品なのかと。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-04-11 23:13:09)(良:1票) 29.後から思い返す「あの時代」を等身大で上手く描いている。 現実において、こういった物語を自分自身が持っていたわけではないけど、それでも何故か懐かしい感じがする。 これ程長くても、まだもっと観ていたい...多くの人がそう思ってしまう優しい映画だと思う。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-03-15 23:36:57)(良:1票) 28.駄作ではないと思うのですが、2時間40分の尺を考えると、それだけの内容であったかは正直微妙だと思いました。雰囲気やセンスはなかなか良かったと思うのに、この映画に会って世之介のごとく「得した気分」になれなかった自分が残念です。 【川本知佳】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-11-10 01:26:47)(良:1票) 27.ふわふわしてて掴み所がないけど、どこか居心地が良い。そんな映画。 高良君の無邪気なキャラクターや、現実感のない吉高ちゃんのお嬢様キャラが作り出す優しい雰囲気を堪能すべし。ストーリーは、あってないようなものだけど、こんなに長くても不思議と退屈はしない。沖田監督共通のところなのだが、会話の間が、なんとも言えないおかしみを生んでいる。 人にどう伝えればいいかわからない映画だが、興味があれば、是非体験してほしい。 【すべから】さん [映画館(邦画)] 7点(2013-04-29 12:53:15)(良:1票) 26.「レ・ミゼラブル」「ゼロ・ダーク・サーティ」「ジャンゴ」と長尺映画が多数公開されている昨今だが、この作品が圧倒的に面白かった。“なんかいいヤツ”という、大変表現に苦労するであろう主人公の人物像を見事に描き切ったのは、監督の力をおいて他にない。これだけの長時間の物語でありながら、まだ見ていたいと思わせる凄さ。吉高も現時点で最高のはまり役だったのでは? ヨノスケサーン 【j-hitch】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-21 18:49:28)(良:1票) 25.こんな伊藤歩さんはイヤだ。 化粧塗りたくって唇まで真っ赤な伊藤歩さん。 (真っ赤な口紅はダメだって。あの素敵でキュートなかわいらしいアヒル口が台無しだ。) こんな黒川芽以はイヤだ。 痩せ細ってすっかり地味な大人の身体になってしまった黒川芽以。 いつ出て来てたのやら最初気付かなかった。あのぽっちゃり感ってどこ行った?痩せちゃダメだよ君の場合は。なんだか悲しくなってしまったんですってば。 こんな横道世之介さんはイヤだ。 ・・・・・・ って無い。イヤなところが一個もなかった 素敵な青年。横道さん家の世の之介さん。 そんな世之介さんったら世之介さんっ。 飢えてない 尖ってない せかせかしていない その上、人に親切 人に緊張感を与えない 人に一切の害を与えない。 そうね まったり行こーよ 憎めない青年 世之介さん。 お名前、世之道横介さんだったならもっとおかしかったのに。 沖田修一さんが撮った横道世之介 高良健吾が演ずる横道世之介さん 共に良かった。 終始ニヤけさせてもらって不思議で楽しく大変心地の良い時間を過ごさせていただいた。 【3737】さん [映画館(邦画)] 9点(2013-03-20 20:46:25)(良:1票) 24.原作未読。 予想外に良い映画でした。 しかし、「デカい切符」ってバブリーだなぁ・・・ 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 7点(2020-03-04 00:45:32) 23.原作読んでからの、雪崩れ込み鑑賞。 読んでなかったらラスト、【えっ!もう終わり?!】って感じだったかも。 自分も【人の記憶】に残る人間になりたいと思わせる作品です。 【tonao】さん [インターネット(邦画)] 7点(2019-11-23 19:39:14) 22.冒頭、ああこれはバブルの時代だなあ、と。個人的には何の懐かしさも感じないけれど、とそんなことを言ってみるのも一種の強がりなのかも知れないけれど。ああ、みんな、シャツの裾をズボンに入れてますねえ。 主人公を演じる高良健吾を始めとして、登場人物たちが、はにかんだようなオドオドしたような挙動を繰り返し、これが昨今のお笑いコントの演技を思い起こさせてちょっと安直ではないの、と最初は心配になるけれど、やがてそれが気にならなくなってくる。長回しが多用される中で、このオドオドした感じが、独特のリズムみたいなものを生み出してるんですね。いや、リズムというよりは、演技の詳細が確定されない中に役者たちが放り込まれ、開放系の中に映画の世界が広がっていくような。 そんな中で、素っ頓狂な吉高由里子はまったくオドオドせず、ブレることなく、純朴な主人公を変人の道(?)に誘い込む。これぞまさに究極のバカップル・・・ってのがこれまた不思議な懐かしさめいたものを呼び覚まします。 時間軸をいじくる構成も、イヤミになっておらず、ラストでは静かな感動に繋がります。 でも、それでもなお、この「世之介」ってヤツ、何なんだよ、という気持ちがどこかにあって、映画ってのは「懐かしがられる人々」ではなく「忘れられた人々」を描いてナンボでしょ、という気もしてしまうんですけれども。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-09-28 01:51:41) 21.長いけどなんだか飽きずに見れちゃう作品という意味ではツマラナイことはないと確かに思う。吉高由里子のお嬢さんが可愛らしいのも、とてもわかる。 それでも物足りなく感じるのは、主人公の世之介が普通だからだろうな。たぶんそうじゃないかと思うけど、よく分からない。世代もあるのかな。 【さわき】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-02-15 19:08:47) 20.う~ん..ねらいすぎかな~ 長いし..それほど面白くない..切なくなる感じは良かったけど..写真のエピソードも秀逸... 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2019-01-05 19:40:35) 19.時系列を入れ替えるってのは映画の基本手法だけど、「本当に必要?」って疑問に感じる映画も多い。その中で、この映画は私の感性にハマったみたいで、気持ちよかったです。さらっとネタバレしちゃうのなんか、他の映画だと多分白けちゃうと思うんだけど、これはなぜか許せちゃう。 吉高が「世間知らずの素っ頓狂なお嬢さん」って役に はまってて、いい演技でした。 「死んだ後、故人を思い出したら笑っちゃう」ってのは私も理想だなあ。そうなりたい。 鑑賞中、結構長い間ニヤニヤしながら見られる、気持ちが温まる映画でした。 【くろゆり】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2019-01-03 15:27:02) 18.観終わって、2時間くらいかなっと思って時計を見ると、160分の映画。 この長さを感じさせないのは、不思議に良い映画なんでしょう。 1980年代を違和感無く映しているところも、なかなか出来ないこと。 観ている時は、さほどではないが、観終わってから、しみじみ、映画の良さが感じられる。 【cogito】さん [DVD(邦画)] 7点(2017-04-15 17:24:52) 17.沖田修一ファンなのですが…うーん、原作未読ですが、原作の方が雰囲気出てたのだろうなぁ、という感じ。 自分には間延び感が辛かった。日常ものなのでそんなに劇的な展開はは求めてないしこれでいいっちゃぁいいのでしょうが、それならそれで、もうすこし趣深いというか、クスッっとできるシーンが欲しかった…。 何度か見るとまた味わいも変わるのだろうか。ううむ…。 【よこやまゆうき】さん [インターネット(字幕)] 4点(2016-05-01 01:51:31)
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