みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
80.《ネタバレ》 ラストにはどうも違和感を感じてしまう。べスにとって一番の救いであるはずのヤンの回復は全くと言っていいほど強調されず、あるはずのない鐘の音が鳴り響くという、それまでとは打って変わって作為的な演出。これはヒューマンドラマとしての体裁を保とうとしているだけで、トリアーが本当に描きたかったのは、その危険なまでの純粋さによって傷ついていくべスの姿にあることをほのめかしているようにさえ思えてしまう。個人がどんなに自分の信念を貫こうとしても、それを阻もうとする社会の重圧には耐えられないのではないか。それを肯定的にとるか否定的にとるかは観客次第だが、そう問いかけること自体に意味があるような気がする。 【クルシマ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-08-31 23:16:20) 79.すいません、主人公の行動とか網タイツ履いたりとか良くわからなかったです。 10年位前、十代のときにに見たので、もう少し大人になってからも一回見たいと思っています。 【餅】さん [映画館(字幕)] 4点(2007-05-30 04:02:39) 78.章ごとに美しいこの世の風景が映される。そして流れるツボな選曲(ディープパープルまで!)。しかしそれらは手振れ映像で描かれる生々しい現実世界をより生々しく見せるためにあるかのように、作品の空気と合ってない。筋はかなりドラマチックといえるのに、この章ごとの画と音楽がドラマの部分への感情移入を一旦リセットするので生々しさだけが強調される。この手法の発展形が『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のミュージカルシーンへと受け継がれる。その『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を最終作とするハート・オブ・ゴールド三部作の先陣でもあるこの作品は他の2作品同様、純粋な心の女が純粋であるがゆえにこの世界で辛い仕打ちに遭う様が描かれる。いかにこの世界が歪んでいるかを、舞台を封建的で閉鎖された土地にすることで実にわかりやすく見せている。わかりやすければわかりやすいほどに増す嫌悪感、そして女が純粋であればあるほどに増す嫌悪感。つまり純粋なものが異端となる現実に嫌悪するようになっている。だからこの3部作自体を嫌悪するのは自然な現象。この挑発、私は認めます。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-12-20 18:08:48) 77.《ネタバレ》 トリアーの映画は、罪を背負った無垢な女性が、大勢の人間たちから、痛めつけられるものが多い。子供たちがベスにむかって石を投げつけるシーンをみたとき、それはなんというか、控えめに言っても、私の心は引き裂かれるように痛かった。 そしてベスが死んだあとに、夫がケロリと回復するシーン。不条理の表現方法が、トリアーらしくて憎らしい。 なんて言ったらいいのだろうか・・。うまくいえませんが、トリアー映画の中核を担う女主人公たち、つまりベスや、セルマや、グレースたちには、なにか共通したものがあるように思う。彼は、そういう女性たちを、徹底的に痛めつけることによって、集団ヒステリーの残酷さを炙り出しているように感じる。他のレビューワーさんも言っていましたが、彼の映画の構図は、常に、1対多数です。1人の女性を、よってたかって「常識」や「道徳」というキーワードを持ち出して、徹底的に叩きのめす。そして、彼は観客に対して、「お前ら、これを見てもまだ分からんのか」と叫ぶ。考えすぎかもしれないけど、トリアーの目的は、女たちのジハードなのかもしれない。私の買いかぶりすぎだろうか? でも僕は自分の、この考えが、けっこう気に入っている。 トリアーは、間違いなく女性の側についている、そしていつも女性に温かい視線を送っているように思います。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-12 00:13:30)(良:2票) 76.《ネタバレ》 この作品がエミリーのデビュー作というのには驚き。彼女はかなりの演技力のある女優さんだ。いくら愛してるからといっても、ヤンの言動、ベスの行動には理解しがたいものがあった。でも全体としては嫌いじゃない。「ダンサーインザダーク」もそうだけど、この監督はきっと、主人公が愛する人のために自分を犠牲にして死んでいく、という描き方が好きなんだと思う。中盤、エミリーが一瞬カメラ目線になる部分がいくつかあるけど、個人的にあの演出は好きじゃない。ラストの変な海のCGには少しガッカリ。 【アンナ】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-26 23:20:39) 75.エミリー・ワトソンは、「・・・ジャックリーヌ・デュプレ」といい、「パンチドランク・クラブ」といい、こういう狂気の瞳を持つ純真無垢な女の役はこの人以外にはいないんじゃないかと思うほど。私にとって、トリアーの作品の中で唯一許せる映画。なんという空の色! 【longsleeper21】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-05-17 15:55:40) 74.《ネタバレ》 ラストの鐘は賛否両論のようだが、あそこまでいけばむしろ爽快。ここではトリアーが神なのだ。地獄に堕ちたベスを祝福しているのだ。これでいいのだ。 【馬飼庄蔵】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-08-29 15:33:24)(良:2票) 73.ドッグヴィルのDVDにこの映画の予告が入っていて、借りてきました。音楽にも惹かれたし。で、実際観た感想は・・・ショック(>_<)ドッグヴィルでショックを受けたハズなのに、やっぱりヤラれた。観終わった後はしばらく何もする気になれなかった。ベスの気持ち・・・ちょっとわかるって言ったら引かれそうだけど(笑)、ベスが神様と話をしている時のセリフはとても身にしみます。ベスはすごく頭がいい子ですね。ただ、ヤンが闘病中にあんなことを言う意味がいまいちわかりません。そこに理由があればいいんだけど、何か無理やりっぽい。納得出来ないわぁ・・・。 【eve】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-16 15:07:52) 72.《ネタバレ》 エミリー・ワトソンの演技が上手くて、だんだんオカシくなって行くのは解るんだけど、もういいからって思うほどしつこい。結婚式の所も「今そんな事しなくても・・・」と、思うのは私だけ? 【さら】さん 6点(2005-03-17 15:43:27) 71.《ネタバレ》 10点確実だと思っていたのにラストでこけました。なんで?ヤンがあんなに回復してしまうとは、、、。そしてべスの死にもかかわらずあんなにさわやかそうにしているとは!! 問答無用のキレがほしかったです。私の見たこの監督の作品はいつも1対多を描いているので、この作品もヤンとその他大勢は同列ということなんでしょうけど・・ヤンの存在、言動はすべてべスを引き立てるためのものでしょうけど・・・。究極の恋愛を描いていると考えるとそれはちょっと虚しい。 ラブストーリーの形を借りているけれど、無垢な魂だとか、人間本来のむきだしの向こう見ずさやひたむきさといった、愛+何かものすごい精神の形を借りてしか表せない心の奥底の衝動がテーマなんでしょうね、やはり。ラストのほうはまさにべスひとり(+神様)で突っ走っていて、痛々しかったです。 でも恋愛を描いているのではまりやすさは抜群でした。 【るいるい】さん 9点(2004-12-19 20:24:42)(良:1票) 70.「ほんとう」って言葉が嫌いです。ほんとうの恋愛、ほんとうの優しさ、ほんとうの理解・・・。真実の意味にはあまりに漠然としているし、なんだか説教くさくて、それを言う人の傲慢さすら伝わってくるから。思うんですけど、恋愛とか優しさとか理解とか、そういった種類のものに『これが正解だ!これ以外は認められない!!』って答えがあるはずないんですよね。でも、世の中を見渡してみると、そういった種類のものにこそ倫理観や善悪を持ち出して、あるパターンを賞賛してまたあるパターンを批判する(したがる)人が多い、そんな気がします。エミリー・ワトソン、ありがとう。いつか本気で惚れた男ができたらアンタのことを思い出すことにするよ。 今はまだいないけど。 【キュウリと蜂蜜】さん 10点(2004-11-18 22:08:34)(良:2票) 69.《ネタバレ》 撮影現場をしのぶ。本当の様子は知らないが僕の予想では、休憩中でも世間話しようものなら、監督はなにも言わないだろうが、監督の怖さを知っている人たちからの「黙れ!」的な視線が突き刺さるんだと思う。刑務所のような独裁的な、辛いだけの仕事場になっているのではないかと思う。姉が病室でベスの死を嗚咽するシーンなんか監督からの言われようはすごかったんではないか。そういう撮影現場から産まれた映画である。イキモノが訴える何かすさまじいエネルギーがこの映画にはある。つくづく思うのだが、こんな潜在的なエネルギーを、なぜもっとハッピーな物語つくりに向けられないのだろうか。それともあれか、人間の感情は不幸の方向に発散した方が正の加速度がつくというのか?まあ確かにそうだが。ラース・フォン・トリァには一度、週末家族団らんで初めて買ったホームシアターのこけら落としで観るようなハッピーな気分になれる映画を撮ってもらいたい。そしたらきっとすごい。 内容に関しては、相変わらずこの監督はすばらしい。映画作り方法は残虐かもしれないがクオリティは本当によいと思う。そもそもベスは夫からの鬼畜な要求に最初から最後の最期まで抵抗を感じている。涙ながらに太った男にやらせてる。夫のためならと喜んで見知らぬ男にやらせているならばただのポルノ映画。悲痛な顔だからトリアー監督なんだな。この監督の存在自体が悲痛である。 【no_the_war】さん 8点(2004-11-06 18:34:20)(良:1票) 68.万人が信ずるものは宗教であり、流行であり、常識である。たった1人しか信じないものを世の中は認めない。排斥する。おかしいかおかしくないかなんて、生まれついた運の問題でしかない。世の中は多数派のイデオロギーで営まれる。思想傾向が多数派に属する者は常人とされ、そうでなければ変人であり狂人だ。しかし世の中の思想傾向は常に流動的で、いい加減。つまり人間には “多数派の狂人”であるか、“少数派の狂人”であるか、それだけの違いしかないということだ。そして多数派に属する狂人は、自らを“常識人”と呼ぶ。ラース・フォン・トリアーはそれらを知っている。誰もがそれに触れられたくないことも。そして彼はその触れられたくない部分を最も汚いやり方で突付くのが大好きだ。露悪が大好きなのだ。ベスはそれらを描く為に犠牲になったスケープゴートだと思う。彼は最凶の監督だ。なぜ最凶か。非常に頭が良く、非常に性格が悪いからだ。悔しいことに彼は、人間の業を知り尽くしている。彼はあからさまに“少数派”に属する。でも世間は彼を無視出来ない。彼は狭義において“狂人”でありながら、世間に自らのイデオロギーを発信出来る。そういう部分において、彼は恐ろしい程に稀有で貴重な人種だと思う。 【ひのと】さん 10点(2004-09-18 23:22:33)(良:1票) 67.始めに引いてしまって元に戻れなかった。やっぱりトリアー監督が造り出す純粋さは私には理解できない。 【rexrex】さん 2点(2004-06-29 02:06:02) 66.不思議な世界観。中世的な共同体の雰囲気とあの場面のつなぎ方と音楽とカメラワークと・・・・数え上げたらきりがない。5年前に見たんですが、この監督は相当な人なんだな!と素人ながら感じました。あんまり神様のことはわからないけど、泣けてきた。 【のりもちあつあつ】さん 9点(2004-06-06 14:24:29) 65.エミリーワトソンは無垢な演技をしようとしている。いやそういう役柄なんだからそれでいいんだけど。無垢なふりをするというのは難しいんだろうなと想像はつく。若干無理してるように見え、わざとらしさ、あざとさを感じてしまった。特に序盤。しかしこの作品、ただ重いだけではなく強い引力を持っている。特に後半。チャプターで区切った意図は体現できていると思う。挿入曲もいいと思うけど、エンドロールの曲(曲名出てこない)が実は一番好きだ…。オチは気にせず。 【ぷりんぐるしゅ】さん 6点(2004-05-13 03:29:05) 64.トリアーの変態ぶりが堪能できる作品。「エレメント・オブ・クライム」とか「ヨーロッパ」はわりと好きだったし、ロッド・スチュワートの歌声に誘われて見に行ったんだが、いやはや騙されたス。更に調子こいて「ダンサー・イン・ザ・ダーク(ややこしい。いつもどっちが馬か悩む)」みたいな映画まで作っちゃって、この人ホント好きなんだろうなぁこういうプレイ。どうせなら「キングダム」方面に軌道修正して欲しいのだけど、「ドッグウィル」もこの路線なのかいな? 【黒猫クロマティ】さん 2点(2004-05-12 12:30:10)(良:1票) (笑:1票) 63.人間が描かれています。そもそも映画は架空の世界の作り話。でも、まるであの世界があるかのように、きちんと人間が描かれてました。でも救いようがないです。救いようがないストーリーは好きじゃありません。 【もちもちば】さん 4点(2004-04-21 22:54:35) 62.ダンサーインザダークのヒロインには嫌悪感しか感じなかったけど、この作品のヒロインには余計なプライドが無い分、純粋さが素直に伝わった。狂気的ではあるけれども。どうもこの監督は、人間結局最後は自己満足だ、という諦観した考えを持っているように思える。で、その自己満足観をヒロインの内面の中心に据える。当然社会的には精神病棟に収容されるような扱いを受ける。社会的なものは、極論すればどうでもいいのだけど、一つ悲しいのは、本当に自分を心配してくれる人の気持ちに気づけないところ。見ている世界が違うという厳しい現実がヒロインをますます自分の世界に孤立させる悪循環。歯がゆい。手ぶれするようなカメラは、現実感を出して感情を伝えやすくするためかな、と思いますが、その割りにセリフだけは妙に芝居がかっていて、その辺りの違和感が妙に気持ち悪かった。それも狙いなのか、と疑ってしまう。やはりこの監督の頭はどこかおかしい。 【ラーション】さん 10点(2004-03-12 18:43:04) 61.ダンサーインザダークの感想が管理人権限とかいうものに よって突然削除されてしまいました。 「この監督は、変質者である。それは、この映画を見ればわかる。 わからない人もいるだろうが。」と書いたのです。 なぜそれが削除に当たるか全く私にはわからない。 これが気分を害するコメントに当たったのだろうか。 もし気分を害した人がいたとしたら、その人は 差別主義の人でしょう。 誤解なきよう言うが、私は変態も変質者も肯定する立場です。 ゲイやレズやSMも肯定する。 それは個人の愛の表現であり、それを批判するのは 間違いだと思ってるからです。 変態と犯罪者は違う。犯罪は悪だ。 しかし犯罪を犯さない変態はこれは認めます。 さて、なぜこれが0点かというと、ラストに尽きる。 この一転した弱腰。 これでこの作品は一貫性がなくなってしまった。 変態は最後まで堂々と変態らしく。 人に評価を問う映画監督なら尚更だ。 「俺は変態だ。どうだ!」これでいいじゃない、監督さん。 ドッグヴィルに期待。 【うさぎ】さん 0点(2004-03-11 00:46:54)(良:5票)
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