みんなのシネマレビュー

ゲド戦記

Tales from Earthsea
2006年【日】 上映時間:115分
ドラマアドベンチャーファンタジーアニメ小説の映画化
[ゲドセンキ]
新規登録(2006-05-07)【マーク・ハント】さん
タイトル情報更新(2023-05-24)【イニシャルK】さん
公開開始日(2006-07-29)


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監督宮崎吾朗
岡田准一アレン
手嶌葵テルー
菅原文太ハイタカ(ゲド)
風吹ジュンテナー
田中裕子クモ
香川照之ウサギ
小林薫国王
夏川結衣王妃
倍賞美津子女主人
内藤剛志ハジア売り
飯沼慧ルート
梅沢昌代2人組のオバさん
神野三鈴2人組のオバさん
加瀬康之船に乗っていた風の司
阪脩国王家臣
西凜太朗ウサギの部下
宝亀克寿船員
白鳥哲船員
池田勝
木川絵理子
加藤英美里
斎藤志郎
ウィレム・デフォークモ(英語吹替版)
ティモシー・ダルトンハイタカ(ゲド)(英語吹替版)
チーチ・マリンウサギ(英語吹替版)
原作アーシュラ・K・ル=グウィン「ゲド戦記」(岩波書店刊)
宮崎駿(原案)「シュナの旅」(徳間書店刊)
脚本宮崎吾朗
丹羽圭子
音楽寺嶋民哉
作詞宮崎吾朗「時の歌」/「テルーの唄」
新居昭乃「時の歌」
作曲新居昭乃「時の歌」
谷山浩子「テルーの唄」
編曲寺嶋民哉「テルーの唄」
主題歌手嶌葵「時の歌」
挿入曲手嶌葵「テルーの唄」
撮影奥井敦(映像演出)
製作東宝(「ゲド戦記」製作委員会)
高井英幸(「ゲド戦記」製作委員会)
島谷能成(「ゲド戦記」製作委員会)
ウォルト・ディズニー・ジャパン(「ゲド戦記」製作委員会)
日本テレビ(「ゲド戦記」製作委員会)
奥田誠治(製作担当)
電通(「ゲド戦記」製作委員会)
博報堂DYメディアパートナーズ(「ゲド戦記」製作委員会)
市川南〔製作〕(「ゲド戦記」製作委員会)
星野康二(「ゲド戦記」製作委員会)
製作総指揮ジョン・ラセター(英語吹替版)
プロデューサー鈴木敏夫
制作スタジオジブリ
配給東宝
作画Production I.G(作画協力)
GONZO(作画協力)
GAINAX(作画協力)
マッドハウス(作画協力)
タツノコプロ(作画協力)
米林宏昌(作画監督補)
田中敦子〔作画〕(原画)
小西賢一(原画)
大杉宜弘(原画)
黄瀬和哉(原画)
本田雄(原画)
森田宏幸(原画)
山下明彦(作画演出)
古屋勝悟(原画)
百瀬義行(原画)
橋本敬史(原画)
美術武重洋二
真野薫(タイトル)
小倉宏昌(背景)
男鹿和雄(背景)
保田道世(色彩設計)
編集瀬山武司
録音若林和弘(録音演出)
井上秀司(整音監修)
東京テレビセンター(録音スタジオ)
西尾昇(デジタル光学録音)(デジタル光学録音)
上田太士(光学録音)
その他スタジオジブリ(提携)
日本テレビ(提携)
ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ(提携)
三菱商事(提携)
東宝(提携)
電通(提携)
IMAGICA(現像)
博報堂DYメディアパートナーズ(提携)
糸井重里(キャッチコピー【ノンクレジット】)
読売新聞社(特別協力)
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【クチコミ・感想】

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51.《ネタバレ》 どうも脚本が上手くない。声優の上手い下手は別にして、なんかピンと来ない。例えばゲドが「とりあえず」とか「ほっつき歩く」みたいな事を言うのだが、あなたは本当に大賢人なの?と疑ってしまうぐらいに語彙が貧弱というか。これでは、主人公に道を示す賢明な老人の存在を期待する以前の問題である。あとアレンとテルの後半の臭いセリフ群は、あれは別にそういうものだから気にはならなかったが、一箇所ダイレクトに「心の闇」と言っていた。それは言っちゃあだめでしょう。このアレンという17歳の少年の心の闇がどんなものかわからないからこそ、この映画は作られたのでは?それをそのままアレンの心の闇と言ってしまう事でワイドショーと大して変わらない着地点に降り立ってしまうような気がするが。アニメーションの技術は相変わらず高いと思った。もののけ姫のヤックル(?)のような動物は相変わらずいいし、マントの揺れ方、高所のバランス感覚等、いつものジブリ印は健在だったし、特に今回は夜のシーンが多く、暗色の映像が目立ったが、効果的な黒さが出ていたように思う。そして空のショットは相当に気を使っていたと思われ、雲の動きや色合いは演出とも上手く溶け合っていた。というわけで、ジブリ工房の仕事は相変わらず見事だったが、やはり演出家に問題があり、ポスト宮崎探しはジブリの死活問題であるに違いない、と考えながらハウルを降板した(させられた?)細田守のことが浮かんだりしたわけで・・・ Qfwfqさん [映画館(吹替)] 5点(2006-08-27 02:41:55)(良:1票)

50.まだ私は「みんなのシネマレビュー」で「0点」を付けた映画は無いです。どんな作品にも見所もあるし、悪いなりにも愛すべき点もあるので「1点」はあっても「0点」はないという思想の持ち主です。でも今回本作品を鑑賞してはじめて「0点」をつけるかどうか真剣に迷ってしまった。考えに考えて「1点」にしたが、このアニメ映画はそういう作品でした。まさに愚作。強い影響力を持つブランド会社の作品である事が、なんとも言えない気分にさせて怒りさえ感じる。 はむじんさん [映画館(邦画)] 1点(2006-08-27 01:31:31)

49.《ネタバレ》 とりあえず時間が長過ぎる。主な登場人物が少ない割に展開がゆったりしているので間延びしているような気がする。話の趣旨は分かるが、絵とかキャラクター設定や演出が古典的でいまいち盛り上がりに欠けるし、声優陣の一部に力不足感があるのも否めない。クモが劇中、自分自身の表現方法について「オレ」、「私」とバラバラに使っている箇所がありどうも馴染めなかった。主人公はアレンのようだが、タイトルはゲド(ハイタカ)戦記となっていて何だか誰に焦点を当てるべきかあやふやだ。アレンの冒頭の衝動的な行動や彼の心理をもっと上辺だけでなく深く掘り下げて描いて欲しかった。自分でも抑えられない心の闇があり、それゆえに非のない父親を殺してしまった等という説明で簡単に片付けられてしまっては困る。 カーマインTypeⅡさん [映画館(邦画)] 4点(2006-08-20 23:46:01)

48.映画監督の小栗康平さんがおっしゃっていることだが、「アニメーションには実存がいないという致命的な点がある」ということがまさに当てはまる作品だったと思う。「ゲド戦記」は題材として、人間の内面が非常に強く関わっている。人間の内面を描くには様々な手法があるけれど、僕らが日常的に特に多く用いているのが「顔の表情」ではないだろうか。アニメーションの限界は、「表情」の複雑さが表現しにくいという点にある。「モナリザ」とかはなんかありげだけど。今までのジブリの作品は、確かに難しくて複雑なテーマを扱ってきた。でも過去のジブリ作品で複雑さを担保するのは、キャラクターの顔ではなく、世界構造の複雑さだったのではないか。紅の豚ので、なぜ「豚」なのか考えると、まさに世界構造の複雑さを生み出していくアイデアだとしか思えない。そこでゲド戦記を見てみるとと、もっとも複雑なのは、ゲドを原点とした世界構造であるはずなのに、あえてアレンとテルーの物語にしたことで、世界構造の奥行きがあさくなり、しかも、最後の砦である若い二人の表情がアニメでは複雑に表現できないのであるから、この作品は無謀であるといわざるを得ない。でも、分かってそうしているなら、今後がんばって欲しい。その意味の期待感をこめてすこし甘めに6点。 wunderlichさん [映画館(字幕)] 6点(2006-08-20 12:44:03)

47.《ネタバレ》 まず、スタジオジブリという名の「ブランド」を冠して、このような作品を出してしまうことに非常に疑問を感じる。何か政治的な圧力があるんじゃないかと勘ぐってしまう。それほどまでに酷かった。どう見ても、素人の作ったアニメ作品としか思えない。まず、まるで20年前のアニメを見ているような雑な粗い絵。監督自身がどんな作品に影響を受けているのかは知らないが、芸術作品とは思えない粗雑すぎる絵。必死に「何か意図があるのかもしれない」と見ている観客をバカにしているとしか思えない。そして、明らかに素人が作ったようなカット割り。ストーリー展開のスピード感の無さ。緊迫しているはずのシーンの緊張感の無さ。あの魔女が最後老婆に変わった姿は、笑いをこらえるのに必死だった。作品のテーマでもある「影との戦い」。。。全然伝わりません。わかりずらい、と言う以前に、作り手がテーマを完全に理解してないまま作ったような印象さえ感じる。影は、あくまで「自分(の内面)との戦い」のはずなのに、それがテルーに何故見える???しかも最後、影に抱きしめられたテルーは赤面してしまってる!!!完全に引いたわ。ジブリ作品でエンドロールを最後まで見ずに席を立ったのはこれが初めてだ。「何コレ?」ほんとにそう思った。確かに、この内容だったら、あの宣伝の仕方になるだろうな、ああいう風に宣伝するしかないだろうな、としみじみと思った。唯一の救いと言えば、レイトショー1200円で見たことだろう。 ◆◇◆◇◆ raindrops ◆◇◆◇◆さん [映画館(字幕)] 1点(2006-08-18 03:41:45)

46.AO入試対策に追われながらも観ました。で。これ、ジブリじゃないなとおもいました。まずみなさんいうようにアニメ汚すぎます。さいしょ、海があれてる画面からはじまって、あー海きたないーっておもいました。竜もなんかボロボロしてるし・・・これはだめかもなこの映画。ってはじまり4分でおもっちゃいました。ごめんなさい。で、矛盾もおおい。ほんとにアレンはなんで凶行にはしったんでしょーか!?おとうさんをさすなんて。殺したかはわかんないけど。なんで?説明ないの??ほんときになる。それからみんなの”キャラ”のなさです。アレンもキャラ薄い、というか存在感ないし、キレたときの顔が怖いだけだし。はじめのほうにでてきたネコもったアレンのおかあさん?のがキャラ濃そうなくらい。1回しかでてこないんだよーああいうキャラ濃いひとがねぇ・・・なんででしょ。ゲドはただの優しいオジサンだし。戦記?たたかったっけ?あ、ちょっとね。テナーとは恋人関係?意味深だよあのおふたり。。あと、悪役!!!こわすぎませんか?はっきりいって、あたしこわかったです。こどもたちはあれOKなのかなあ?こわくない?あの悪役魔女のルックスはジブリてきにアリなの?あたしはやだよーこわいよーかわいくないよーえぼしがなつかしいよー  てわけでなんか、、ぱっとしない映画でした。またリメイク希望。もちろん、ゴロウさんがね! あたしの感想もぱっとしないです。ごめんなさい ギニュー隊長★さん [映画館(字幕)] 5点(2006-08-17 21:08:09)

45.まず絵が汚くて残念。また、パターンというか既視感にうんざり。そして何よりキャラクターに強い意志が感じられないことが最大の不満。アニメだからこそ生々しいほどのエネルギーを発するキャラクターが必要だろう。評価できるのは時間が経つのが早かったことぐらいか。 ぷりんぐるしゅさん [映画館(邦画)] 2点(2006-08-17 00:47:14)

44.初期のジブリ作品こそ好きで、また当時ほぼリアルタイムで見てきた立場として、今の駿氏作品よりむしろ支持します。駿氏の最近の作品には含羞がなくて、好きではありません。流暢になりすぎた笑いやサスペンス、セリフ回しは、娯楽には必要なものかもしれませんが、初期のジブリ作品に感じた興奮や共感は、そういうものではなく、もっとプリミティブなものでした。実際、「おもひでぽろぽろ」以降は私にはつまらなくなり、映画館で見る気は無くなり、いつもTV鑑賞でした。
それにひきかえ、この宮崎吾朗氏のデビュー作には、何かかつての初々しさにつながるものがありそうな気がして、映画館に足を運びました。見る前は、話題作りのための監督起用なんじゃないの?という懸念もありましたが、ちゃんと作家としての主張があって、そこにジブリの良心も垣間見えました。
本作は、ケレン味が乏しく、メインの若い2人がかわいくないのも人気の薄い一因かもしれませんが、なぜアイドル顔にしなかったか。したくなかったんでしょう。そこにも共感します。ヒロインの顔のヤケドは、私が作るならもっと悲しい傷にするがなあ、と思いましたが、商業映画としてはあれがギリギリだったのかもしれません。でも、ヤケドってあんなにきれいなキズってありえないですよね。そこにだけリアリティーを求めるのも変かもしれないけれど、ちょっとあれはいただけなかったかも。
まあでも、いうまでもなくこの作品全体は暗いです。華やかさはありません。もっとも、原作がどうなのかは知りません。また、原作と離れていてかまいません。今の時代が暗い時代なのは間違いないし、そんな時代に華やかな絵空事は似つかわしくない。作家としてのそういう主張を感じます。メッセージは生硬ですが、真っ向勝負をかけた吾朗氏に、私は共感しました。8点にするか9点にするか迷いましたが、一部不満はあるものの、9点を献上します。
<後日、訳者の講演録の中で、原作者も訳者もこの映画を否定してないと知りました。
原作のファンに納得いかないのはそれはそれで無理からぬことですが、この映画は原作の力があるからこそかもしれませんが、やはりいい作品だと思います> おばちゃんさん [映画館(邦画)] 9点(2006-08-16 22:24:09)(良:3票)

43.《ネタバレ》 日本が世界に誇るジブリアニメのブランド、あの素晴らしい世界観も、宮崎駿のマスターベーションだから成りえた世界なのかもしれない。映画という商業主義の世界でも、彼の徹底したこだわりが完成させた芸術の世界、それが世代を超え、日本をはじめ世界中の共感を呼んだ。「田植え休み」なんて言葉も知らない私たちの世代が、「トトロ」の世界に共感する。ジブリ作品の特徴は、その世界観を表現する「ここまでやるか」と見る手を唸どに創り込まれた映像の圧倒的なクオリティと、その根底に流れる真摯で強烈なメッセージにあった。芸術とは、作家のマスターベーション=自己満足の世界に尽きると思う。……「ハウル」で急速に失速したジブリのブランド復興なるかと、僅かな期待を抱いて見に行ったが、予想以上の失望に終わった。「ハウル」以上にチグハグで尻切れトンボな筋書き、アニメのクオリティ以前に物語自体が盛り上がりも目的も起承転結もなく陳腐この上ない。息子はなぜ父親を手にかけなければならなかったのか、主人公が怯えていた「影」の姿は一体何だったのか、少女はなぜ竜に成り得たのか、かつて人とひとつであった「竜」が物語の中で何を意味していたのか。すべてがぼんやりと中途半端なままで、更に素人棒読みの台詞の中では、何の共感も感動も覚えることができなかった。……「千と千尋」までの、あの愚直なまでにこだわった作家の圧倒的な世界観はもはや見当たらず、公開前のあからさまな広告戦略に象徴される商業主義。マスターベーションの抜けきった商業映画は、もはや娯楽芸術ですらない。作者が息子であれ、ジブリブランドという極めて特殊なフィルターでお客は見に来る。これは筆舌に尽くしがたい大変な重圧であると思うが、たとえ何年もの時間はかかっても、それに恥じない作品を発表してもらいたい。……「もののけ姫」時代の、まるで油彩と見まがうばかりの素晴らしい画力に比べ、あまりに陳腐で粗雑な背景の作画は誠に残念だ。ラストの悪役はまるで二昔前のテレビアニメ並み、これを日本代表の芸術として海外で公開するのはいかがなものか。……この映画を最後に、ジブリアニメはもう映画館に観に行くことはないだろう。日本の誇るジャパニメーションの頂点も、遂にここまで失墜した。宮崎駿氏の世界は、やはり彼にしか創りえないものだったのだ。 six-coinさん [映画館(邦画)] 2点(2006-08-14 21:45:49)(良:2票)

42.いやーひどかった。お金と時間を無駄にしてしまった。ナウシカとラピュタと宅急便ともののけの良いところを灰汁だしして抜いて、残ったキャラクターに妖怪人間と日本むかし話(竜)をつけあわせて、さーてどーだーっていう感じ。宮崎駿アニメの終焉を告げる一撃。あな悲し。 杜子春さん [映画館(邦画)] 1点(2006-08-13 22:07:34)

41.ストーリー、演出、映像、音楽、良いところが一つもありません。こんな映画がジブリから公開されてしまったことは非常に残念ですが、それはまあ、アリと言えばアリです。それはナイ、と思うのは、この映画が『ゲド戦記』であること。許せません、原作に対する冒涜です。観たい人は、どうかテレビ放映まで待ってください。ジブリやスポンサーを儲けさせることはありません。 美姫さん [映画館(邦画)] 1点(2006-08-13 21:18:14)

40.この映画、見終わった時うれしくて涙がぼろぼろと止まりませんでした。この映画を評価する理由を二つ書きます。まず第一に宮崎吾郎さんが、自分の語りたいストーリーを原作の世界観の中に見出し、それを語ることに成功していることです。ふつう小説を映画化するときには、あらすじを追ってそれを映像化さえすればよいと考えがちですが、彼は全く違ったアプローチでこの原作と取り組んでいます。この映画に僕が感じた、原作とも共通するテーマを一言で言えば「自分と向き合うこと」です。吾郎さんの場合それは「宮崎駿の息子としての自分と向き合うこと」だったのでしょう。でもそのテーマは僕ら一人一人だってそれぞれに引き受けなければいけない普遍的なテーマでもあります。僕らはこの映画のストーリーとともに、あるいはそれ以上に、映画の描き方の中のほうにもその「自分と向き合う」というテーマを感じ取ることができます。吾郎さんがどのように自分のアイデンティティを見つけていったか、それをキャラクターの設定、動かし方、背景、声優さんの演技などなどに見てとることができます。そしてそのテーマは、原作のゲド戦記のストーリーと共鳴して響いてくるのです。映画のストーリー自体はむしろ観客のカタルシスを優先し、自分の中の暗い負の部分と直接向き合わずに済むように、それを敵役に一方的に背負わせてしまっているきらいもあります。でもそうした表面的なストーリーよりも、宮崎駿ファンならジブリの作品史という文脈の中でこの作品も見るだろうし、それなら捉え方も全く変わってくるはずです。それ以外の良い点もみなこの点に関わってきますが、もう一つだけ挙げるとすれば、それは表現にめりはりが効いていることです。もののけ姫、千と千尋、ハウルというように進化してきた宮崎アニメの映像に比べると、絵の描きこみは相当に単純化され、省力化される一方で、ラストの一連の重要なシーンや特殊効果的な映像、そして音響効果にはしっかり手間がかけられています。吾郎さんが自由に作品を作り上げるために、お金をかけすぎないということは絶対条件だったはずです。お金をかければかけるほど、営業的に自由度が少なくなっていきます。この映画はそういう意味で、やりたいことを追求するために、比較的どうでもいいことをあきらめることで成り立っています。その取捨選択のバランスの良さを僕は高く評価したいと思います。 小原一馬さん [映画館(字幕)] 10点(2006-08-13 02:46:37)(良:1票)

39.《ネタバレ》 「この映画はおかしいです」・・・真面目に。私は宮崎駿監督の大ファンで、ジブリが大好きです。だからこそこの映画は「ジブリをキライになりたくない」と観に行くのが怖かった。でも観てみたら想像以上の酷さでした。  脚本、死んでますね。「命を大切に」というテーマも宙ぶらりんもいいところ。過去を背負ったキャラクターという設定なのに「落ち込んで刺してしまった」「墓所から救ってくれた」「ひどい親が捨てた」「大賢人と人が呼ぶ」全部台詞で言うだけならこの作品を映像にした意味は!? テルーの正体もなんの意味があったの!? 作画、本当にジブリのスタッフが描いたのか!? と目を疑うシーン多し。アレンの顔もころころ変わりすぎ、中途半端にリアルな皺が気持ち悪い。ラスト付近のクモの顔なんか直視してるのが恥かしかった! 木々の緑へのこだわりを、ジブリのスタッフは捨てたのか!? 大空の美しさは何処へ行ったのか!! クモの部屋とか、丁寧は丁寧だけどなんか違和感。 既存のジブリを見慣れているとこの作品の背景はテレビアニメ並みに感じる。緑色の草木の雑さがとくに痛かった。 声優、菅原文太はそこそこだけど、悪くないだけで別に良くは無かった。アレンはかつぜつが悪く、テルーは終始学芸会。田中裕子は声細いからもうホントに悪役とかやめたほうがいい。誰も彼も何もかもひどいからもう最後の方は麻痺してきました。しかし、こういう作品て悪役に魅力があってこそ成立すると思うんです。ひとかけらの魅力も感じませんでした。ウサギなんてルックスだけ今までの借り物だけど、中身に全然面白みがない。クモは他の部下いないの?? ジブリの伝統(と私は思ってた)食事シーンも全然美味しそうではない。無意味に陰惨な残酷シーン多し。あちこちにある宮崎駿作品に模したシーンはオマージュというよりただの借り物になっていたし、宣伝方法は「イノセンス」を思い出させる儲かればいい的鈴木流で・・・家族連れには絶対お勧めしない。親殺しの危険な少年Aを野放しにして、それで、世界の均衡は!? なんとか誉めるところをさがしたけど、強いてひとつ言うならこの映画が二時間以内で終わってくれたこと・・・。 kiryuさん [映画館(邦画)] 1点(2006-08-12 12:03:23)(良:1票)

38.《ネタバレ》 クモのラストの顔は、邦画『ノロイ』のカグタバのお面そっくりでした。
映画の導入がいけない。父を殺害する理由はいったいなんなのだ。愛してもらえなかったからか、もしくはただ剣が欲しかったからなのか。ついでに、その後父が死んだか助かったかは不明で、作り手が忘れている印象を受ける。
テルーの唄自体はなかなかいいが、大草原でひとりでどこか遠くを眺めて歌っているのはイタイ。ミュージカル映画なら成立するかもしれないけど、そうじゃないでしょ、しかもフルコーラス歌ったし、サブイボがたつ。
サブイボといえば、ラストの二人が抱き合うシーン。抱き合う奥から朝日が昇り、壮大な音楽が流れ始めてしまったら、スクリーンから目を背けることしかできない。
これはいいとして、やはり導入のあいまいさが2時間ずっと不可解にしてしまったのではないかと、僕はおもう。 no_the_warさん [映画館(邦画)] 7点(2006-08-11 01:16:22)


37.《ネタバレ》 第一印象は声優が酷い。特に布売り家のおばはん。ヒロインもたいがいだったが。映画のできとしては、絵は良いし、描写も丁寧だった。典型的宮崎系悪役顔のうさぎはベタすぎてちょっとウケたw現状ではあり得ないが、テレビアニメとして2クール以上で丁寧にやったら非常におもしろい作品になると思う。いかんせん映画の2時間内では説明やらなんやらで忙しすぎるし、設定が奥深い?故にキャラクターの深層までは見えてこない。でも、説明臭くならないようにゲド戦記の世界を説明しようとしている努力は非常に伺えた。 雀返しさん [映画館(邦画)] 5点(2006-08-10 22:42:05)(良:1票)

36.スタジオジブリの作品の一部としていつもの優しい雰囲気は感じられないものの作品としてはなかなか好きです。アレンと歳が近いのもあるのかもしれないけどつい社会の悪い部分に目がむいてしまって暗くてやなこんな世界に出たくないと思いがちでした。この作品を見ると自分もアレンと同じなのかも知れないと思った。つい希望を、明るい部分をみてない。いやな世界から逃げることは世界をいやだと思ってしまっているので世界にもいいことがあると信じている、希望の自分から逃げる事にもなる。なんか胸が熱くなりました。期待しないでみてなかったので本当によかったです。 ランニングハイさん [映画館(字幕)] 8点(2006-08-10 22:01:37)(良:2票)

35.消化不良もいいとこで話が終わったんですが、原作もこれだけのことなんですかね?さすがに一エピソードを抜粋しただけなんでしょうが、物語の展開がミクロすぎますよね。戦記か、これ?一言、「つまらなかった」ですませられる作品なんですが、その原因は味気なさとぶつ切り感ですかね。映像やらキャラクター造形やら見ていて華がなさすぎる。基本的に広い層を狙ったファンタジーなんだから、せめて服装に関してはもうちょっと捻って欲しかった。それでいて、話のスケールも小さく突飛な展開もないとなれば見た目と内容の両方で地味すぎるというダブルパンチを喰らいます。また、龍とか賢人とかっていうものの位置づけがイマイチよく分からなかったり、主人公の親殺しの原因が最後まではっきりしなかったり、一つ一つのエピソードの持つ意味が伝わりきっていないので話し全体に深く感じ入ることができないし、整合性が感じられない。観客自身に考えさせるという意図の上での表現方法なのかもしれないが、「命は大切だ」なんてただでさえありふれたテーマを扱ってんのに、こんな抽象的な伝え方されたら考える気起こらないよ。次回はもっと見る人のことを意識した作品作りをして欲しいですね。 あと、すごい蛇足な感想なんですが、テンパった時のアレン君の表情がキモくて、ふきそうになりました。いや、あれはもっと演出を工夫するなり格好よく見せようよ。 bizenさん [映画館(邦画)] 3点(2006-08-09 08:47:53)

34.宮崎駿のアニメーションの特徴の一つは柔らかさだと思います。人物の表情やアクションはもちろん自然物の描写や色彩なども全体的な流れのようなものがあって、とても柔らかさを感じる。それに比べると(比べるのは間違いかもしれないけど)本作品には映像や台詞に堅さというか、ぎこちなさのようなものを凄く感じました。例えば(僕だけかもしれないが)アレンの顔がひきつったときに出てくる口元のしわが変に誇張されすぎていて、違和感を感じました。自分自身のセンスで作品を創ろうとする一方、どこかで父親を意識してしまっている部分があって、全体的に中途半端になってしまったんじゃないかという気がします。
んま~、全くの初挑戦と言う事を考えればこのような結果になってしまったこと自体は仕方ないと思います。批判したいところはたくさんありますが、うまいな~と思うところもありました。この先良い作品を吾郎監督が生み出す可能性は十分あると思います。
しかしそれでもジブリはちょっと話題性というか利益目的で動いたような気がしてちょっとがっかりですね。いちファンとして、作品の質が落ちてしまうということは避けて欲しいな思います。 ばかぽんさん [映画館(字幕)] 5点(2006-08-08 02:41:44)

33.ジブリ作品で初めて何も心に残らない作品だった。それはとても悲しいことだなぁと思う。 コダマさん [映画館(字幕)] 4点(2006-08-06 23:49:47)

32.《ネタバレ》 え!! これで終わりなのって感じでした。
冒頭、アレンが父である王様を殺して剣を奪った。アレンはハイタカ(ゲド)と出会い一緒に旅をするなかで、なぜ自分は父を殺してしまったのか?という問いに答えをだしてくれると思ったんですが・・・ 「僕の中には僕の知らない影がいるんだ」ってアレンがハルーに言うんですが、それが答えかーー?と思ってしまいました。 あとアレンがなぜ、影(ホントは光?)を体から追い出してしまったのか全然触れられていませんでした。 ハルーについてもなんで本当は竜なのになぜ、人間の姿でいるのか?完全にスルーされてました。 そもそも世界の均衡を元に戻す旅の話なのにかなり中途半端なところで終わってしまって・・・ 「ポケモン」で例えるならライバルを倒さず、ジムバッジを1個とったところで話が終わった感じです。
のび太さん [映画館(邦画)] 4点(2006-08-06 16:18:20)

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【点数情報】

Review人数 191人
平均点数 3.69点
094.71% line
12714.14% line
22412.57% line
33618.85% line
42513.09% line
53518.32% line
6189.42% line
773.66% line
842.09% line
921.05% line
1042.09% line

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 1.61点 Review26人
2 ストーリー評価 2.16点 Review37人
3 鑑賞後の後味 2.28点 Review35人
4 音楽評価 5.00点 Review37人
5 感泣評価 1.70点 Review34人

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