みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
52.《ネタバレ》 前作から僅か11ヶ月で、このクオリティの続編を創ってくるところがもう化け物です。 巨大な蟹をムシャムシャ食う政治家たち。地上げと開発が進む都心。湯水のようにお金が湧いてくる新興宗教。このギラギラした空気がバブル真っ盛りの日本を象徴しています。 いきなりですが、伊丹作品の宮本信子の演じるヒロインのなかで、本作の板倉亮子が一番可愛いんじゃないでしょうか?前作よりずんぐりしてるように観えるのは、当時の流行りのワイドパンツだけでなく、髪の毛量が増えてるのと、やや胸が大きくなってるみたいです。気になる方はもう一度観比べてください。ヤクザ事務所の屋根に登って盗聴している亮子も可愛いけど、資料庫に向かうとき、誰も観てないところでバレエっぽいポーズ取る亮子がもう最高に可愛くて。 ただ、惜しいと思うところが、本作の亮子は常に公人=マルサの女の一面しか出ていないところです。前作にあった息子の大ちゃんとのやり取りや、権藤との仕事外のふれあい。そういった息抜きな一面がないため、常にピリピリした作品になってると思います。 愛車をマイティボーイからホンダZの改造車なんてマニアックな車にしたところから、マルサの亮子にプライベートの時間がない(遊べないから趣味の車に走る)ことを表してたのかもしれません。 また敵が巨大になりすぎたため、もう知恵と根気だけじゃ全てを解決できなくなってしまったのも、スッキリ出来ない部分かと思います。チビ政を襲う鉄砲玉はともかく、鬼沢の始末にスナイパーを使うのは、とかげの尻尾切りとしては解りやすいけど、リアリティが犠牲になった気がします。 流石は伊丹監督で、物語はキチンとまとまっています。でも地上げと新興宗教は一緒の回にしないで、それぞれをもう少し掘り下げて、別な作品にしても良かったかもしれません。地上げのあの手この手のイヤガラセは描かれていましたが、新興宗教部分は、お布施の名目で金品を搾り取られる信者などを描いても面白かったと思う。鬼沢一家や教団が、その後どうなったかも気になるところ。 あまりプラスの感想を書いてませんが、当時の伊丹監督のパワフルさを味わえる、クオリティの高い作品です。 【K&K】さん [地上波(邦画)] 7点(2024-01-31 20:32:07) 51.《ネタバレ》 一世を風靡した感があった前作と比べ、地上げ屋や新興宗教を取り上げ、国会議員も登場させてちょっと手を広げすぎた感じがしました。わたしは本作品を確かニューヨークのマンハッタン、リンカーン・センターの近くの映画館で見た記憶があります。「あの石を3つ所有する者は世界を支配すると言われています。今のところ教祖様の他ではロックフェラー財団が一つ持っています。」と怪しげな教団勧誘者が言った時にはアメリカ人が殆どの館内がわっと湧きました。伊丹監督は異文化も充分意識したようです。ただ三国連太郎が扮する地上げ屋兼新興宗教の教祖の夫は前作で山崎努が演じた守銭奴のようにユーモラスではなく、「日本の東京がその国際的地位を奪われないように俺が汚い役をかって出る!」のような悲壮感のある決意がありながら自らの欲望のために少女の将来を台無しにするといったどちらかというと憎むべきキャラなのが前作とは異なり、悪役への感情移入を難しくしてしまったのが残念です。 【かわまり】さん [映画館(邦画)] 6点(2020-05-30 11:53:44) 50.《ネタバレ》 再見。負けて終わるっていう趣向もいいんじゃないかと思うのですが、全体に何か物足りない。おそらく鬼沢は生き残っちゃいけない役。スナイパーにやられるなんて華々しいもんじゃなくて、どこかの川で浮かんでこその彼。「あなたも、トカゲの尻尾だったのよ」。あっさり切り捨てられてこそ、言い様のないカタルシスがあったのでは。それにしても、板倉亮子ってキャラクターはいいですよね。どなたか、名跡を継いで続編を作って欲しいです。できれば、小林聡美さんにお願いしたい。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 6点(2019-01-19 16:48:07) 49.《ネタバレ》 マルサ板倉亮子が闘いを挑むのは今回は今となっては懐かしい存在の地上げ屋軍団、前作が街のパチンコ屋だったんですから敵キャラもスケールアップしています。ただ伊丹十三自身もかなり力みかえっている感じで、本作あたりからそれまで伊丹映画が持っていた風味が消えてゆくのでした。■まず言及しておかないといけないのは今回の悪役である三國連太郎で、前作の山崎勉を意識しすぎていたのか暴走気味の演技です。板倉亮子たちマルサがもう単なる狂言まわしみたいなストーリーテリングになってしまい、これは失敗だと思います。“巨悪に挑む”という脚本の意図は判りますが、地上げ屋・政治家たちをあまりにグロテスクに描きすぎて、なんか出来の悪いアクション映画を見せられているみたいです。それ以上に鼻白んだのは大して映画を観ていないわたくしでも10箇所ぐらい指摘出来るほどの過去の名画からの引用というかパロディ・カットで、それがまたセンスが悪いんです。笠智衆が登場するシーンなんかは彼のキャラはまるっきり『東京物語』のパロディで、こんなベタなことして誰が面白がると思ったのか不思議です。■前作を凌駕したと唯一言えるのは本田俊之のサントラで、これはほんとに素晴らしい。のっけからサンバのリズムを多用して、バブルの頃の世相を暗喩している秀逸なセンスです。そして後半から使われ始めてラストにフルで流れるグルーミーなメインテーマは、邦画サントラ史上に残る名曲だと思います。■板倉亮子たちマルサは巨悪には手もつけられずに涙をのむ虚無的なラストを迎えます。でも撮影時には神のみぞ知ることだったんですけど、その後のバブル崩壊で地上げ屋・大手都市銀行・総合商社は壊滅的なダメージを受けたことを思うと感慨深いものがあります。このバブルの狂乱を具現化した様な混沌とした映画の中で、ただひとつ伊丹十三が成功したのは、「宗教を忘れた戦後の日本人が唯一信仰していたのはカネであった」という鋭い問題提起だったんじゃないでしょうか。■伊丹没後の現在では詮無いことですが、板倉亮子のその後というか現在の姿をもう一度スクリーンで観てみたいものです。まあ常識的に考えればすでに役所は退官して、税理士でもやっているという感じでしょうか。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2016-04-04 23:00:45) 48.《ネタバレ》 マルサの女の続編。 今作は前作よりも社会的要素が含まれており、もっと大きな悪が描かれている。 そして今回の悪役は地上げ屋で宗教団体を利用し脱税を行う人達(ヤクザ)でタブーに踏み込んでおり、伊丹十三らしい。 2でもテンポの良さ音楽の良さは健在。物語のわかりやすさという部分では多少わかりにくくなったかもしれないがより複雑な組織構成となっているので仕方がないか。 鬼沢の開き直り発した発言には説得力が有り、こういう人達にしかできない社会の部分が有るという現実を突きつけられ考えさせられる。 そしてチビ政、そして鬼沢までもがトカゲの尻尾切りにあい、悪はとてつもなく大きく圧力に屈しざるを得なかったマルサの宮本信子の悔しげな顔が印象に残る。 ラストはリアリティがありとても良かったと思えるが、スナイパーは少しやり過ぎではないかと感じてしまった。 それに悪役の魅力も三國連太郎よりも山崎努のほうが勝ってたように思える。 しかし前作に続き良作であることには間違いない。 【こしち】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-08-07 21:46:16) 47.《ネタバレ》 1ど同様、すごいところに目をつけますよね。 ラストを見て「反骨精神が盛り上がる」か? 「変えようのない現実に諦め気分になる」か? 監督には面白くても面白くなくてもたくさん映画作ってほしかったです。 【たかしろ】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-04-15 17:10:58) 46.伊丹十三監督、生きていたらどんな映画を作っていただろうと思う・・・・ 【KINKIN】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-06-02 12:42:17) 45.「マルサ」としての面白さは、前作より数段落ちる。でも地上げ屋や宗教団体など、話題性としては良かった。 【noji】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-05-12 18:29:26)(良:1票) 44.大物が10億の金の1億を懐にして9人の子分に1億ずつ渡す。子分は1億の金の1000万を懐にして、そのまた9人の子分に1000万ずつ渡して、さらにまたその子分が・・・という悪の組織。宗教法人の隠れ蓑を着た地上げ屋、またその地上げ屋を操る悪徳政治家というように、マルサの活躍よりも悪の組織が前面に出た映画だ。だからスケール自体は大きいのだが、終盤がいまいち歯切れが悪い。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-02-23 17:29:45) 43.《ネタバレ》 1と続けてみたが、そのまま同じ時間軸で進んでいるし1のヒットに続けて公開されたにもかかわらず同じテーマ曲を使わずに始まるなんて凄い心意気だ。(しかも曲名が『LOVE & THREAT』。凄い。)伊丹十三本人の化身であった山崎努がいなくなったり、本筋とは別のミニ・エピソードが無くなったりと大きな変化を感じる。更なるヒットを狙ったー等あったのだろうか。監督の個性を『小技』ではなく映画の大きな流れでどれだけ見せられるかーという挑戦だったのだろうか? 三國連太郎の演技はギトギトしていて淫らで大きくて素晴らしい。エンディングが何か尻すぼみな感じで残念。何が伝えたかったのかよくわからない。「バブルってすっごいよ!」なのか「政治家って悪いねー」なのか。それまでの勢いを考えるとガソリン切れして止まったように感じてしまう。 【reitengo】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-11-21 17:35:22) 42.《ネタバレ》 伊丹作品の中では爽快感はないが、監督の作品の中では、最も社会派映画であると今は思う。 伊丹作品の着眼点の凄さは、一般人の生活に身近でありながら、(特に主婦にとって)決してわからなかった業種の裏側、例えば自動車教習所のビデオで見せられるようなマニュアル映像を高度なテクニックで、映画として成立させていたことです。 「お葬式」「ラーメン店」「税金」「暴力団」「病院」「スーパー」など、伊丹映画によって、とても勉強させられた人は多いと思う。 その中でこの「マルサ2」は結末も後味が悪いので、他の作品のような爽快感を期待した人には嫌な気分にさせられるかもしれないが、だからこそ多くの社会派監督が描いているようなメッセージ性が強い傑作だと今は思う。 劇中の「世界の中で東京が取り残されないためには誰かが汚い仕事をしなきゃいけない」というセリフも、今となっては空々しく思えるのは、少しはマシな日本になったかと思えるし、宗教団体の描写も、完全にその後の事件を予見しています。 この時代に誰もが心に思っていても口に出せない、すごく危ない橋を渡ってこういう映画を作った監督は偉大だと思います。ハリウッドであればこういう映画はあたりまえに作られていて、その方法論を日本でやるのにどれほど苦労していたか、今は少しわかる気がします。 自分はこの監督は自殺したのではなく、たまに報道される企業の社長の自殺や、役人の自殺と同じように考えています。誰もその真実を語れないだけなのだと思います。 【どっぐす】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-06-07 01:09:23)(良:1票) 41.《ネタバレ》 今回は宗教団体と地上げ屋と政治家のお話。社会派エンタテイメントとしてのパワーは前作に比べると若干落ちてますが、的を絞ったテーマは良かったかなって思います。日本の悪い構造といいましょうか。臭いものにはフタ、自分の手は汚さない、とかげのしっぽ切りなどなど、日本は神(正義)から最も縁遠いところに宗教というものがあるような気がして、いやーな気持ちになりますね。バッドエンディング的な内容でドキュメンタリーものかと思えそうなところですが、いい感じで女性の裸や下着姿がでてくることでエンタテインメント性を保っていますね。このさじ加減は伊丹監督独特だなぁって感心します。強制捜査に入られたママがパンツ丸出しでマンションのベランダを逃げていく様は伊丹監督の真骨頂といいましょうか、なんだか苦笑いしちゃう感じでとっても良かったです。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-05-03 22:48:42) ★40.2008/1 鑑賞。マルサの女の話題と面白さには劣るが楽しめる。 【ご自由さん】さん [地上波(邦画)] 6点(2012-03-21 22:27:20) 39.予定調和なので、緊張感がありそうでないんですよ、残念ながら。伊丹ファンとしてはこう切り捨てるのが残念ではあるのですが。周防監督が撮ったメイキング編のほうがよっぽど面白い。 【おばちゃん】さん [ビデオ(邦画)] 5点(2011-08-14 20:50:54)(良:1票) 38.シリーズの第2弾。ターゲットが当時の世相を反映させた設定へと変わり、 目の着け所のよさは相変わらず。キャスティングも何ら問題はなし。 さすがに1作目より"マルサ"のインパクトは弱まったものの、内容の方はパワーアップ。 大人が鑑賞して満足できる作品に仕上がっている。お見事。 【MAHITO】さん [地上波(邦画)] 6点(2011-08-10 05:17:28) 37.前作と比べると少しパワーが落ちてる気がします。 【doctor T】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-09-15 18:40:07) 36.《ネタバレ》 確かに1作目のような見終わった後の爽快感は無い。むしろそれ以上に後味の悪さの方が上である。しかし、これこそが現実なんだ!結局は泣き寝入りすることになってしまうというその正しい者よりも悪人の方が勝つなんて、どう考えたって間違っているし、絶対におかしい。けれど、そんなおかしなことが起こり得るのが世の中の実態であるということを伊丹十三監督は描きたかったに違いない。少なくとも私にはそう思えてならないのである。世の中の全ての矛盾に対する怒り、許せない者、あってはならない現実、それを有りのままに見せ付けられることになる。正しく間違いだらけの世の中の象徴のような映画である。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-04-26 23:11:44) 35.昔、映画館、このたび再鑑賞。 当時伊丹十三がテーマにしていた人間の欲に対する映像表現が枯れて行く様子がはっきり見える「お葬式」「タンポポ」「マルサの女」と立て続けに食、性、金欲のありようをテンポ良く描いてきたが、ここに来て著しくスローダウン(これ以降の作品を観ていないので大きな事は言えないが)映画という物に押しつぶされているかのようだ。 映画ならではのエグさが売りだったと思うがこの作品では、手荷物係オヤジの顔アザとソープの金運び女の足の不自由さぐらいしか印象に残らない。ストーリーに不満は全く無いがエンターテイメントにこだわりすぎたのかもしれない、役者の演技力に頼りすぎ監督の持ち味が薄れたのは残念だ。 それでも2010年現在、これだけのテンポでぐいぐい引っ張って見せる邦画にほとんどお目にかかれない、偉大な才能の損失です。 【カーヴ】さん [DVD(邦画)] 6点(2010-03-08 09:55:08) 34.この映画の異常なほどのテンポの良さ、分かりやすさを、邦画の製作者たちには見習ってほしいですね。 【次郎丸三郎】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2008-05-31 13:01:31)(良:1票) 33.《ネタバレ》 一勝一敗のまま勝負は永遠に持ち越しに・・・ 【フッと猿死体】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-04-12 11:23:26)
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