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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です!
【クチコミ・感想】
3.《ネタバレ》 ちょっと調べると、1972年てのは『緋牡丹博徒』の最終第8作が1月⇒藤純子の引退作『関東緋桜一家』が3月⇒んでこの『博奕打ち』シリーズ最終作が7月公開だった様でして、んで翌1973年1月にはあの『仁義なき戦い』が公開されてるのですから、確かにココが任侠映画⇒実録ヤクザ映画への正に転換期だったと言えるのでしょーね。内容的には本シリーズ中屈指の傑作『総長賭博』のリメイク or 調整版という様にも(また確かに)見えておりまして、『総長賭博』でも大いに感じられた任侠の心意気を描くという(一種の)芸術的側面はある程度引継いで・ただし若干は通常の任侠ものに則した分り易さを調合して…といった仕上りにも思われますね。そのうち、前者を描いたモノとしては(鶴田浩二はじめ主要登場人物はモチロンのコト)特に松方弘樹の在り方には個人的にはかなり感じ入るコトのできる部分がありましたし(『総長賭博』での音吉の役割をより任侠的に表現したものかと)、後者としてはまず根本的に筋が分かり易いのが好かったし+ラストの鶴田浩二&若山富三郎の(本当に本当の)一騎打ち!も十二分に見応え在ったと思いました。シリーズの締め括り(+任侠映画の締め括りのとある一つ)として、完全に上々なる出来だったのではないかと思いますね。
ただ、コレも少しダケ、やはり時代の波とゆーか60年代の典型的任侠映画に比べるとやや雰囲気が違ったな…(違ってしまって居たな…)という、ちょっと寂しい様な感覚も確かにあったのですよね。なんとゆーか、テンポとゆーか「間合い」からして少~し違ってなかったか?て気がしたり、あとはとにかく(『総長賭博』よりも更に、松方弘樹をその様に見做さないならば)全然悪役が出て来ない…という異色作にも見えるのですし(⇒天津敏も名和宏も出てないし、遠藤辰雄と金子信雄はナンと真っ当な方のチョイ役で出て来るし)。尺が少しダケ長めなのもその感覚には繋がってますかね⇒だとしたら、もう少しダケ尺を延ばして、でいつもの様にシンプルに終わるのではなくてオーラスに鶴田浩二さんにドコかでナニか一言付け加えて貰ったら尚好かったかもな…なんて思ったりも。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-11-02 13:18:50)
★2.《ネタバレ》 博奕打ちシリーズ最後の作品はシリーズ最高傑作、いや、博奕打ちシリーズだけさなく全ての任侠映画の最高傑作「総長賭博」のリメイク、二番煎じみたいな内容にこれはこれで面白い反面、寂しさ、虚しさを感じてならない。それは何故か?任侠映画の悪役、安倍徹が居ない。安倍徹も居なければ天津敏も居ない。他にも河津清三郎・名和宏も居ない。主役級の二人、高倉健、菅原文太も呆気なく殺されてしまう。金子信雄の扱いも不満が残る。何だあの変な髪型、エジソンか?女優陣に眼を向けると藤純子も居ない。この作品が制作された前に「関東緋桜一家」を最後に引退している。浜木錦子に関しては悪くは無いけど藤純子で見たかったし、総長賭博の時の桜町弘子の様な感情移入も出来ずという様に不満も有りながら、結局は最後まで観ることができるのは単なる任侠映画ではないドラマとしての面白さを見せる山下耕作監督の手腕による力が大きい。跡目問題で悩む男と男の苦しみ、苦しみという意味では高倉健の鶴田浩二、若山富三郎の二人に対する恩義から来る苦悩、松方弘樹の描き方に対してもきちんと描いてるのが素晴らしい。映画のラストの悲劇、此れでいよいよ任侠映画も終焉を迎える感じになって、寂しさを覚えてならない。 【青観】さん [DVD(邦画)] 7点(2019-03-06 19:29:02)
1.《ネタバレ》 山下耕作監督による鶴田浩二主演の任侠映画。今月一周忌を迎えた高倉健や菅原文太も出演するなど豪華なキャストで、ストーリーも対立する二つの組のドラマを対等に描き、明確な悪役の存在はなく、ドラマに重きを置いた内容で、ただの勧善懲悪にはなっていない。「博奕打ち 総長賭博」もそうだったが、誤解やしがらみによる争いが本作でも描かれていて、あの映画には及ばないものの見ごたえのある映画でなかなか面白かった。ストーリーのカギとなるのが若山富三郎率いる組の代貨し(松方弘樹)で、彼の親分を思っての勝手な行動がやがて悲劇を生むという展開なのだが、終盤近くの若山富三郎と松方弘樹のやりとりは、そこまでして親分である若山富三郎を思う松方弘樹の気持ちが伝わってきて本作の中ではとくに印象に残る。鶴田浩二と若山富三郎のどちらにも恩義があり、なんとか争いごとを避けたい高倉健の苦悩はもう少し掘り下げていても良かった気がしてしまうが、まあ仕方ないといえば仕方ないか。(でも、この役を高倉健が演じていることによって安心感はある。)誤解から鶴田浩二の弟たち(菅原文太、伊吹吾郎)が殺されてしまう展開も悲劇的なのだが、最後まで自分の弟を守ろうとする文太には思わず感動させられた。とはいえ健さんと文太、一緒のシーンが一回もなかったのは残念だし、既にこの時期藤純子も引退してるせいか、出演しておらず、浜木綿子(冒頭で鶴田浩二が彼女に向かって「見ない顔だな」というシーンがあるが、東映任侠映画では本当に見ない顔。)が芸者役で出演しているが、この役を藤純子で見たかった気もする。東映任侠映画としては最末期の作品(本作から約半年後に「仁義なき戦い」が公開され実録路線へ。)で、モヤモヤが残り、あまり後味がいいとは言えない本作のラストは物語の終焉だけでなく、10年近く続いた東映任侠映画そのものの終焉を感じさせている気がして、よけいに物悲しく、そして印象的だった。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-11-21 17:06:37)(良:1票)
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【点数情報】
Review人数 |
3人 |
平均点数 |
7.00点 |
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