みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
7.意気地のない女に煮え切らぬ男、いらいらとした展開に見るのをしばらく中断していた映画。包丁を振り回すあたりからいくらかおもしろくなったが・・・。木暮実千代や久我美子など女性の描き方に定評がある溝口監督だが、私にはあまり好みではなかった。威張り散らしていたお殿様が終盤哀れな姿を見せるのと忠義に思えた山村聡のしたたかさが印象に残った。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-07-16 06:49:57) 6.遅ればせながらの溝口映画祭参戦、初日にして二本目、主演は木暮美千代と上原謙。個人的には久我美子に再会できてプチ幸せ。 木暮実千代主演作品は観ていないはず…と記憶を漂いながらなぞってみると「お茶漬の味」(1952) や「赤線地帯」(1956) がきちんと引っかかる。 馬鹿な女と馬鹿な男、それを様々な形で表現してくれる。はてさて自分はどの馬鹿な登場人物に当てはまるか、考えながら観てみると面白いかもしれない。 女の苦悩を描かせるとやはり溝口は一歩リード。 【kei】さん [映画館(邦画)] 6点(2014-05-26 12:40:13) ★5.《ネタバレ》 これは隠れた傑作でした。 テンポも良いし展開もぐるぐる切り替わる密度。当時これほどの傑作が評価されなかったのが不思議でならない。 これだけの完成度、しかも木暮実千代と久我美子ですよ? 最高に私好みの作品じゃないですか・・・(「新・平家物語」のおっぱいもたまりませ(ry) 確かに溝口作品にしては斬新とも言える内容ではある。ただ、この作品から感じられる官能的で優美さのある見事さ。 木暮実千代が色っぽい。最高に。 直接的な描写がなくともここまで艶を感じさせる演技、そして溝口の演出。 旧華族制度の崩壊、二人の男の間で揺れる煮え切らない女心・・・全てに絶望したラスト・・・後の「山椒大夫」のようなキレイな映像でした。 風呂場のお湯と白いタイルのように希望に満ちていた彼女は、度重なる不幸を目の辺りにしていく。彼女は深い水の底での安らぎを選んだのかも知れません。 まるで兄の身を案じて湖に身を投げた「山椒大夫」のあの妹のように・・・ただ後の彼女には微かな希望がありました。「私が死ねば兄は楽になる」と。そんな希望すら雪には無かった。 うら若き乙女を死に追いやる溝口の残酷さ、ただそこには若さゆえの儚さ、美しさがある。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-01-20 13:04:47) 4.《ネタバレ》 木暮実千代のエロス、魔性の女にクラクラです。溝口健二監督らしい美しさ、魔性の女を演じても、けして下品にはならずに見せる。いや、魅せると言う方が正しいぐらい、とにかく美しい。木暮実千代の色気、美しさを溝口健二監督は流石、よく解っている。美しく色気たっぷりの大人の女を描かせたら本当に上手い。木暮実千代の雪が霧の立ち込める芦ノ湖の山のホテルに現れる場面と消えて行く場面は幻想的で息を飲む程美しい。あっ!女優の魅力と言えばもう一人、久我美子も雪への憧れや同性に対する愛を抱く難しい女の気持ちを上手く表現していて、これは完全に女の気持ちを描いた女のドラマとして見込み十分! 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-01-06 22:10:05)(良:1票) 3.《ネタバレ》 木暮実千代出演作を観るのは、自身二作品目。 この作品においても彼女は艶やかで美しかった。 仕草や話し方が素敵である。 特に、畳に座るときの姿勢が大好き。 ちょっとはかなげに斜めに座るあの感じ。 それに対してその旦那の醜さときたら・・・ この美と醜の対比が、否応なく観る者を興奮させる。(いや、自分だけかな?) 印象に残ったシーンをいくつか挙げてみる。 まずは冒頭の、雪夫人(木暮実千代)を慕う久我美子演ずる少女が、お屋敷のお風呂場に案内されるシーン。 だだっ広いタイルの間に、ポツンポツンと浴槽が地面に埋め込まれている独特なお風呂場。 別に入りたくなるような、いい雰囲気のお風呂場ではないのだが、それを映し出した映像は輝かしく、息をのむ程に美しかった。 久我美子演ずる少女が、ここで同性愛的な発言や仕草を見せる。 「ここで毎日、雪夫人がお風呂に入られているんですね・・・」 水面に目を遣りながら、こうつぶやくのだ。 眩しくて美しいこの映像の中でのこのセリフ。 やっぱり溝口健二の描く世界は美しい。 それともう一つの印象に残ったシーン。 それはラスト近くの、雪夫人が湖に姿を消してしまうまでのクライマックス・シーンである。 雪夫人は湖近くのホテルに姿を現し、屋外の椅子に腰掛ける。 そこにボーイが近寄り、声をかける。 ボーイはその後、建物の中に何かを取りに行き、それと共にカメラも建物の方へ動いていく。 ボーイ、そしてそれを追うカメラが再び屋外に戻った時には、雪夫人の姿は見えなくなっていた・・・ このシーンが雪夫人の最期を演出するシーンなのだが、とあるお方のお言葉を頂戴するならば、 “霧深い芦ノ湖の山のホテルに現れた雪がまたすぐに消えてしまうラストはぞっとするほど幻想的で美しい。” といった感じで、まさしくその通りのラストであった。 戦後の華族制度廃止によって没落していく旧華族を描いている点についても、非常に興味を持って観ることができた。 【にじばぶ】さん [映画館(邦画)] 9点(2007-09-02 11:14:57)(良:2票) 2.《ネタバレ》 なんでしょう、まんまドロドロ系の昼メロにしか見えず面食らいました。さすがについていけない世界です。テンポもあまり良くなく、もっさりとしているし、人物造形や心理描写もいまひとつ。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-04-15 21:46:48) 1.《ネタバレ》 舟橋聖一の同名小説の映画化。華族の名門信濃家の雪が、婿で傲慢な直之に苦しめられているが、別れることもできず苦悩する。心の支えである小唄の師匠の菊中も肝心な時に頼りにはならず、悲劇的な結末を迎える。戦後の没落する華族の哀れさと心と体の欲求が分かれる女の性に苦しむ貴婦人の心中が見事に描かれている。また、夫人をいいように利用してきたと思っていた周りの男達も、実は夫人の虜になっていたという側面が最後に露呈し、時代の変化と自らの欲望に翻弄する様も垣間見れる。製作時点の時代背景なのか、夫人の肉欲を観る者の想像に任せている点が若干不満ではあるが、育ちの良さを一つ一つのしぐさで表現している小暮美千代の演技は見事だ。夫人に憧れる小間使いに旧華族出身の久我美子を配するとは偶然ではあろうが妙な皮肉を感じる。最後の芦ノ湖での場面は霧につつまれて見事に美しい。ボーイがお茶を持ってきたらこつ然と消えている夫人。さすがに上手い。 【パセリセージ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-18 11:22:34)(良:2票)
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